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2006-10-01 乞食の街 [長年日記]

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●久々で突発的な「旅行記」です。もし時間が許すようであれば、お読みください。リハビリ開始。
この時期になると思い出すことがふたつある。ひとつめは、今の横浜の家に住みだした日ということ。それはさておき、もうひとつは衝撃的な体験だった。
ものごとには表の顔と裏の顔がある。世界中の場所にも、表側と裏側がある。新宿歌舞伎町にVISA期限内で帰る外国人もいれば、タイ人が微笑みながらけっこう悪口を叩いているなんてのも、同じ方向性かもしれない。今日は、そういうイメージを覆したデキゴトに関して2004年10月1日の記憶を書いてみたい。

この日、自分は欧州を西から東に旅をしていた。10月5日にイスタンブールで待ち合わせをしていたために、急いで4か月ほどいた欧州を西側から抜けなければならなかったのだ。場所はウィーン。初めて訪れた街である。多くの日本人と同じように、自分も音楽の都でハフスブルグ家の栄光が残る華やかなところをイメージしていた。もちろん、昼の観光で表側の顔は数多く見受けることができた。お約束どおり、王宮やらカフェザッハやらデメールなんてのも訪れて、「こりゃ伝統深いところだなぁ」なんて感じていた。そういうひとしきりの観光をしつつ、ルーマニアのブカレストへ向かうバスもきっちり予約していたので、バスターミナルへ向かうことにしたのだった。
ウィーンのバスターミナルは数多く点在していて、そのひとつひとつがやたらと大きい。予約のときにスタッフが印を打ったバスターミナルに発車30分前に着いた。なかなか余裕がある。珍しい。窓口で構内のどのゲートかを尋ねようかとしたら、すべての窓口が暗い。人がいない。閑散としたターミナル内で人を見つ出しては尋ねるが「よく分からない」「ここでは見たことがない」と言うではないか。さらに聞くと「この駅に隣接する何個かある別のターミナルから出ているのは確か。でも場所はどこだったっけ…」というものだった。この駅には他にターミナルがふたつある。表に出て無愛想な守衛のオッサンに「ブカレスト行きのバスはどっちのターミナル?」と聞くと「あっち」と指さした。
重たい荷物を持って走る。しかし、ターミナルらしきものは出てこない。貨物列車のスタッフがいて尋ねると「違うよ、それは逆側!!!」と教えてもらった。かなり走ったが、バスは出た後だった。
もちろん、不満たらたらである。小雨も降り、気温が下がって息も白いウィーン。腹が立ったのでビールをキオスクで何杯かあおった。駅の向かいの公園の茂みで立ちションをしながら、「あのクソ野郎!」と唸るも後の祭りである。ヤケクソのような状態で駅の方に戻ったら、濡れた髪と衣服がみすぼらしかったのか、乞食が声をかけてきた。「兄ちゃん、時間だぞ。行こう」。このあたりの言葉は難しい。世界で最も難解なメジャー言語であるドイツ語に、さらにチェコやスイスなどのエッセンスがかかっているという感じだろうか。ハッキリとは分からなかったが、このオッサンの腰を押す手とつぶやき方がそれを証明していた。
普段なら危機を察知して、このような誘いには乗ったりしない。だが、ヤケクソというのは強い。「ええぃ、ままよ」とオッサンに促されるままついていった。駅の裏口。数えきれないほどの乞食。階段にはやっと歩行者が通れるようにだけ隙間はあったが、あとはすべて乞食だ。オッサンとおれは近くの床に腰掛けた。元々、お互いに言葉が通じるとは思ってもいないので会話はない。笑顔を失った連中に混じって、今日だけのゲストが妙にマッチしている感じだったのだろうか。雨に濡れてグチャグチャになったタバコを数人の乞食と回して吸った。オッサンたちは吸うというより飲むに近い感じでゆっくりと味わって、フーーーっと白煙を吐き出した。寒さから来る白い息と混じっているため、とても深い白色の煙だった。
炊き出しを待つ
ガンガンガン。タライを棒で殴るような音がした途端、オッサンたちの目に「!」と目に光がともった。争うでなく、あせるでなく、粘土がカタチになっていくように列になっていく。ゆっくりその歩は進み、最後の角を曲がったときに何の列か分かった。炊き出しだったのだ。カユに野菜炒めが乗ったようなメシを、みな無言で食べる。相変わらず顔に笑顔はない。だが、明らかに人々に活力が生まれ始めた。決して活発に動いたり、明るくおしゃべりしたりするようなものではないのだが、場の空気の色とでも言おうか、ニュアンスが変わったのである。
食後に何人かの乞食と、またタバコを回して吸った。どこからか英語を話せる初老の乞食が来て会話をする。この乞食爺さん、ちょっと周囲の人とは違う。装飾品が何個かじゃらじゃらと付いているのだ。「わしらは、ロマなんじゃ。ロマとはインドにルーツを持つ定住地を持たない放浪民族でな、でも時代はそういうことを許さなくなってきた。もちろん、そういう伝統的な暮らしを続けるものもいるが、ここにいる者は働いて住む気で来ているんだが、なかなか職はない。ま、中にはロマでないルーマニア人も多いけどね」と話してくれた。自分も「日本人で放浪していて、ウソ教えられてバスが行ってしまった」などということを話す。普通なら、正直に「何か月も旅している」なんて言えない。そんな立場は、乞食の彼らにとっては身ぐるみを剥ぐ対象でしかないからだ。だが、このお爺さんはロマである。カネは持たず、全財産を装飾品などに変えて手持ち財産で旅を続ける民族だ。爺さんの財産は、ザッと見ただけでもかなりの額である。そんな人が自分を襲ったりはしない。気付くと、自分の今日のいきさつなどを爺さんが連中に翻訳してくれていた。にわかに周囲が「あれじゃないか」「これじゃないか」と会話に熱が入り始めた。中には「あいつら差別ばっかりするから、極東からの旅人にウソ言ったんだ」というようなものまであった。ラテンの彼らは、実は陽気でおしゃべりである。ただ、置かれている境遇と空きっ腹から本来の力が出ていないだけだ。食後のこの会話で飛ぶようにタバコがなくなっていった。だが、どこからともなく途切れずにタバコが回ってくるのだった。
最終的には何かの時のために隠していたという酒を誰ともなく出し始め、金銭を持っている自分は小銭で変な醸造酒を何本か買い、みんなの寝床で飲んでいた。場所は駅の構内である。もしかすると、何人もの日本人が歩いて通過しただけのこの駅で、自分は車座になって国を持たない民族と酒盛りをしている。意味が分からない。尿意を催したので「ちょっと行ってくる」と声をかけると、何人かが付いてきた。そして、みんなでホーム向かって立ちションをする。すぐに全員が駅員に怒鳴られた。クックック、みな笑いが止まらない。尿とは不思議なもので、妙な親近感がわいたり、権力に立ち向かうノロシとなるのだ。そして、遠くのホームで誰かが怒鳴られるたびに、みなで笑い転げた。
ガツン…。頭に鈍い痛みが走る。「NFSD`O)#W0#WQU」。何やら誰かが怒っている。眠い目をこすっていると、今度は痛みが腰に。駅員だった。「朝4時だ、起きろ、出て行け!!!」。なんと我々は蹴り起こされていた。普段なら「蹴らんでも分かるわい!」と怒鳴り返すところだ。だが、これは自分はウィーンのホスピタリティーだとも思う。追い出すのを4時まで待つのだから。そして、文句を誰かが言えば、この素晴らしい制度はなくなってしまうのだ。できるだけノロノロとみんなで身支度を整え、駅の入り口でタバコを吸った。俺は朝日が出る頃、みんなにお礼を言い、もう一度バスの予約を取るために予約センターへ向かった。

乞食の街/ウィーン2004.10.01

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Before...

uracci [ありがとうございます。レバノンのクネイトラの話もそうですが、あんまりディープすぎたり長過ぎたりするとレスがつかないな..]

ケンシロウ [初めての海外旅行がもう10年くらい前、タイだった。自分ちが一番!よそんちに泊まりだとなかなか寝付けないような人だった..]

なる [おもしれーなあ。 なんかね、おれはほとんど旅とは縁遠いけど、 記憶にのこったりいろんなことを思うのは、 やっぱり寄り..]

takeshi.m [ここに求めるもんは、あるわ!! 本間に心が動くは!! GAMU話のあとのいきなりかい!!って突っ込みたくなるけど。..]

uracci [ケンシロウ> ちょっと、な、なんや!その数行の行間、そしてリフレインは…。 旅って、相互交流がおもろいよね。 現地人..]


2006-10-02 アフガン渇望 [長年日記]

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私は旅の途中で写真を撮る。同様の趣味や仕事の方も多いと思う。ある人は人物を撮り、ある人は風景を撮る。自分の作風は「ちっぽけな人間」だ。この大いなる地球に、ありがたいことに生かされている多くの生命体に属するほんの一種類の動物。地球はそんな人間の悪行に大きく影響されながらも、懐の広さを見せ続けている。長らくそのような思想を持ってきた自分は、そのような瞬間を撮ることができたらな、とカメラを持って旅に出るようになった。
人は大地の上で生きている
マザーリシャリフという乾いたところだった。砂風舞う市場では、肉のかたまりがぶら下げられ、何十年も前の中国製品かというような、粗悪品が市場を賑やかしていた。言葉を失うほど美しい青いモスクが自慢のこの街で、人々はやはりアフガニスタン人で、部族と親戚の反映だけを誓い、媚びるということを知らぬ不器用な男たちが集っていた。
ひとひらの風が吹いた。馬が迷惑そうにまばたきをした。少年の服がハタハタとはためいていた。瞬間、私はシャッターを切った。うまく撮れたのかは知らないが、私はその時の空間を今でも愛している。

※写真はクリックすると拡大します

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ライダー [昨日、久しぶりに「ウルトラセブンの子」見ました。 向かいに住んでるイタリア系アメリカ人の女性と。 なんだか、学生時代..]

nacco [うーん。ステキです。写真って心がうつってますよね。 なんでしょうね、光かな。 uracciさんの空間なんだな〜と感じ..]

uracci [ライダーさん> ちょっと!イタリア系アメリカ人の人はどのような感想だったんですか??? それが気になる…。 また、あ..]


2006-10-04 いまが整理するときなのに [長年日記]

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景気が向上しているそうな。「いざなぎ景気」並と言われても、バブルすら知らないおれたちの年代は、それがどういうものかピンとこない。対して、バブル後の不景気はよーーーーく知っている。そう、まるで阪神タイガース暗黒時代のような、あの不景気だ。さて、そんな世代育ちの自分だけど、景気上向きはちょっとずつ感じている。いろいろと二束三文のものが増えているのだ。例えば、townworkなどの求人情報誌を見ると、なんだかページ数(=雇用の量)が増えている気がする。自分の仕事では…安めの仕事がどんどん増えている。うむ、そちらに伸びてきたか、この景気は。
これは、誰もが思っているだろうけど、まったく良くない。世の中のモノや雇用や、果てはおれの労働単価まで、安くてたくさんはダメだよなぁ。正社員雇用を増やして、モノづくりも本物志向になって、社会の末端も「これは何か良いぞ」という社会にならなきゃいけない。でないと、自分のような勉強中の人間は、「がんばったらあんなこともできるんだ!」という夢のある将来を描けないじゃないか。偽物やそこそこの質だけをたくさん増やす今回の景気は、日本の先細りしか想像できない。

当たり前グラフ

いつから日本はコンピューター産業で遅れを取ったのだろう?いつから日本は衛星ロケットを他国に打ち上げてもらわなければならなくなったのだろう。それは「商売」から「ビジネス」に日本経済が変化してきたことが大きい。リスクを避け、大きく儲けようとする大手企業型&東京型の「ビジネス」は、確かに一時的な不況に強く一時的な好景気に乗っていける。先の不景気で製造業の生産拠点を中国やマレーシアに移した各社の施策なんて、まさにその象徴だ。でも、本当にそれで良かったの?何か大切なことを失ってないかい?
「やっただけ儲かる」という実力主義は大いに歓迎する。でも、その実力=実績を「自分だけ」とか「自分達の会社だけ」「いまが一番大切」でヨシとする東京型のビジネスでは、今後は危ない。景気が上向きの今だからこそ、薄利多売の世の中に別れを告げ、量より質を向上させていかなければならない。そのためには「ね、ええ質でしょ。我が社はもっと勉強してええもん作って、お孫さんの代まで面倒見させてもらいまっせ」という大阪型の商売=商いの精神が必要ではないか。おれって考え方が古いんかなぁ。


2006-10-07 上がって下がって [長年日記]

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昨日の前半はノリに乗った。もう、ボカスカとサイトのレイアウトを済ませた。本当は那須高原のリゾートホームページのコピーを書かなければならなかったのだが、これもやらなきゃならないこと。やっと苦手分野に取り組む気力が湧いたのだ。そりゃそうだ、今日もまたおもしろそうなイベント(ラオスから来ているプロの歌手を六本木に見に行く)お誘いを断らねばならず、なんか心が痛む…。フリーになってからお誘いの半分以上を断っているような…。そんな現状にムカーーーーときたのが良かったのか、とにかくサイトレイアウトは、あれよあれよの間に完成。我ながら凄まじいスピードだった。
で、サイト制作後半戦。むむ、dreamweberがやっぱり分からん。ガイドライン引いてスライスして、indexとimagesができて、それをdoreamweberで開いてから、どうしたらよいのか分からない。ズレてるところをちょっとでも触るとグジャーーーーとすべてが潰れたり、あと数ピクセルがなぜか動かなかったり、結局8時間ほどかけて何もできなかった。もう、いやだ。8時間かけてほんの1mmも前進できなかったソフトに生まれて初めて出会った…

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keinaちん [[壁]・・)チラ いま気付いた...Dreamweaver...びぃ...ぶぃ...激しく嫌いというのがよく伝わった..]


2006-10-08 誰だ、参加するだけで意義があるなんて言うのはw [長年日記]

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相変わらず、この忙しいときにwebデザインなるものをやってみた。昨日はdreamweaberでアカンかったので、今日はGoliveでやってみよう。うむ、なんとなくテーブルというものが分かってきた。大きくエリアごとに切り分けて、それぞれ配置してみる。イラストレーターから書き出したweb用データは同じボタンでも180pxだったり181pxだったりするので、それをimagereadyでちまちま、すべてをそろえる。テーブルの列と行を整えて、揃えた画像とテキストをこつこつと置いていくと…。うむ、大変、良い感じ。一番上→左→真ん中と順調に進む。そして右に置くコンテンツを順番に置いていこうと、右の一番上の画像を置いた途端…
ぴょこん、とテーブルが広がった。なんや、これは!何がピョコンやねん!!!わしは横800pxでええ言うとるやないか!誰の許可を得て835pxになっとるねん!画像を消し、もう一度そのテーブルの値を直し、もう一度画像のサイズを確かめて置くと…またぴょこんかい!もうええわとガンガン置いて、最後に800pxに戻す作戦に出た。うむ、もうすぐ終わりだ。と、そのとき、びょーーーーんと1600px以上に勝手に伸びやがる。プレビューしてみると、テーブルごとにレイアウトはぐちゃぐちゃ。横に伸びたテーブルを800pxに戻そうとするも、何かを触れば何かが崩れる。砂の山を崩している感じ。あー、もう、だからっ、わしは横が800pxがええねん、ビタ1px動くなや!!!と怒鳴り散らすも、またグシャ。発狂寸前、殺意わきまくり。もう、webなんてイヤだ。てことで、サイトの更新は神が降臨しない限りしばらくありまへん。(言うても数年間、放ったらかしてるから誰も何も思わないだろうけど)
▼ほら、僕途中までちゃんとやってたんだよ、の図
ここまでは早かった
素人ながら、今日は仕事に絡む【簡単なこと】勝手にランキングだ
もちろん上にくるほど簡単だぜ!
1位/資料なし、webで探して書いてくれ!的2Pの見開きギッチリ原稿(+年表付き)を6本【1日で】プロスペックでライティング→納品
↑「平成ワイドショー(そろそろ販売)」なる本で実際に経験
2位/超急ぎ35Pのエディトリアルデザイン8割方仕上げ
↑「月刊アジア倶楽部2006年1月号〜アジア横断〜」で経験
3位/マイナス30度の凍った川を1週間野宿・自炊で旅して目的地にたどり着く
4位/アフガニスタンに1か月間居座る
5位/wordでデザインしろと言われる
6位/2日半かけて自分のサイトのトップページだけwebデザイン
なんて難しいんだwebデザインとは!みなさんにも、どーーーーしてもできないことってありまへんか?

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keinaちん [メッセでも見たが、苦労しとるようぢゃの。 わしにとってどーしてもできへんこと...それは本を読んで一人で勉強。 どー..]

uracci [ああ、分かる。先生である程度は教科の印象と覚えっぷりは確実に変わるよ。 おれは3年の担任の英語はどうしてもダメだった..]


2006-10-09 首都圏から出たい [長年日記]

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北朝鮮が核実験をして成功したようだ。もちろん、核兵器というのは撃ったから戦争や争いごとに勝利できるものではない。撃った国も、撃ち返されたり、国際軍に鎮圧されたり、国が崩壊するまで経済封鎖されたりして、いずれは崩壊してしまう。「撃つぞ、撃てるんだぞ」という脅しの外交カードに過ぎない。普通の場合は。
さて、北朝鮮も同様の原理原則で核を保有し、核兵器を外交カードとして持ち出してきた。もちろん、「核拡散防止条約」はアメリカやフランスが独自の既得権益を守るために作ったものだけに、北朝鮮は完全に無視した。そこまでは、普通の場合なら「外交の流れ」と理解できる。イランなどもその類いだ。だが今回の場合は、核兵器を持ったのが北朝鮮。どうも信頼できない。現在の政権のトップは、もしかすると経済制裁が進んだ時や、仮にも政権が崩壊するときが来たら「間違えたプライド」や「間違えたヒロイズム」「間違えた道連れ探し」にお付き合いさせられるのでは?そう思えてならない。核兵器というのは、もちろんそれだけで地球の人口が変わるくらいの恐ろしい兵器だ。だが、そのボタンを押すのは人間で、その人間の種類との掛け合わせで、さらに恐怖の兵器となるのではあるまいか。
ここで、タイトルどおりの本題。間違えやすそうな北のボス。さぁ、間違えてしまったというときに、あなたはどこに撃つと思う?まず危ないのは人口が多いところ。東京、大阪、次いで政令指定都市だろうか。二次的な被害を考えれば原子力発電所も危ない。北陸一帯や北関東がこれにあたる。最後の最後、国家崩壊までに数日の時間稼ぎをしたいときには米軍基地が効果的だろう。「そんな数日伸ばしてどうなるのか」と冷静な時は考えるが、非常時は違うということをこれまでの人類史が物語っている。北のボスがどこかに亡命するための時間稼ぎも、核ボタンを押す理由になり得そうだ。もろもろの条件を考えてみると、一発落とせば効果絶大の東京と有力米軍基地がある横須賀は危険がいっぱいだ。対して安全そうなのは…和歌山〜鹿児島の環太平洋エリアか???日本に住むなら、高知、宮崎、鹿児島の海沿いと以前から言っていたけど、こりゃ本気で目指さなアカンのかいな。とにかく首都圏は何か落ち着かない。加えてこのエリアは大地震待ちだよ、まったくもぅ。

(書きながら感じたメモ)
※なぜ、アメリカは核兵器を撃った唯一の国なのに正当化されているのか分からなくなった。戦争のキッカケ(原因ではない)が仮に日本だとしても、核兵器を使うか否かは別問題でしょ。
※ニ発撃つなら「あそこがイヤだ」という場所が思い浮かんだのだが、書かないでおこう。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

takeshi.m [うーん。 これから先はわからんなー。。 日本の対応が見ものやね! しかも、アメリカ。。。 北朝鮮が産油国もしくは資..]

ニーチェ [僕は首都圏に戻りたいです。 核、地震などで仲間が苦しんだりするのならば 僕も一緒に苦しんで乗り越えたいです。 楽しい..]

uracci [takeshi.m> もう日本丸ごとどうでもいいかなと思い始めました。 生まれ育った神戸もゴミ同然だし、なんかやる気..]


2006-10-10 さよなら、東京。 [長年日記]

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僕は今日、親友と酒を飲んだ。それは別れの酒のような味わいだった。横にいたおれの彼女も分かってはいまい。でも、おれは東京で大切な人、二人と酒を飲み、ひとつのピリオドを迎えたと思った。一人は2004年の旅の前に泊めてもらった、「相変わらずアホやな」と言うと怒る親友。もじゃ毛のwebデザイナー。もう一人は2004年の旅から帰ってきて知り合った、クライアントの中でも最優先の食いしん坊。日本の談合を知る素晴らしい男。目処はまったく立っていないのだが、そろそろ東京は出たいと考えている。新しい展開を成功させたいと自分は考えている。まいどまいど、何かを構築しかけたら、それを捨てて、新しい方角へ向かう効率の悪い人生。それは百も承知だが、それが生き方なら仕方ないじゃない。おれは、また旅に出る。だって、旅人だから。それ以上はなく、それ以下もない。そういう波がまたやってきただけであって、あぁ、うれしいなとも思うわけである。まだ、いるうちに精一杯がんばりますよ、東京daysは。数ヶ月か、半年か、1年か、それ以上かは分からないんだけど。
いまは準備期間ですが、秒読みに入ったときにあらためて書きます。東京の友達、おれにとってはかけがえのない財産よ。それはホント。信じてほしい。くろさわくん、おさむ、おれはお前らとサシもしくは3人で飲みたい、朝まで。そう考えている。なんか、おまえらに話したら呪縛は解き放たれて、おれはどこかへ飛ぶのだろうと信じている。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]

メグミ [なんや久々に訪れたらセンチメンタルやないの。 もーどこにいたって一緒やねんから。 でも離れ行く前に飲もな。 私が先に..]

もじゃげ [そんなん言うとおれすぐなくよ またのもぜ 朝までチキンナゲッツ]

Pero [そうか・・・。 でも、旅を仕事にすればエエんとちゃうの? 奥の細道のイントロにあるみたいに。(^^ゞ]

はくさく [うらっちはどこにいてもうらっちだなぁ、とおもう。 遠くにいるときのほうが近くに、 近くにいるときのほうが遠い存在に感..]

uracci [メグ> おセンチ、得意です。でもラストスパートも得意なので このままいくと良い実績も残せそう。 メグこそ離れるってど..]


2006-10-11 インドそれは魅惑の大地 [長年日記]

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ちょっと、奥さん、みました???今日のサッカー、インドvs日本!まさにあれですよ、あれ。もう今日の試合はインドのおもしろさそのもの。
まず、会場の雰囲気。途中、オシムが怒ったシーンがあった。ファウルやコーナーキックなどのリスタートが遅いというものだ。だが、実況アナウンサーは、それを伝えるとともに日本代表をかばう発言をした。「あ〜、オシムさんが怒っていますねぇ。リスタートが遅いというもののようです。でも、まぁ、なんと言いますか、スタジアム全体が不思議な雰囲気に包まれていますからねぇ〜」。不思議な雰囲気って!!!客のいないタイでの北朝鮮戦や、観客の現地人率9割越えだったアウェイのバーレーン戦、イラン戦などは、「スタジアム全体が異様な雰囲気に包まれています!」というものだった。それとはまったく異なる「不思議な雰囲気」。。。よく正しく実況してくれたよ、ありがとう。そりゃそうだな。何億人もの不思議な人がいる国だからさ。
続いて突然照明が消えた。停電はインドの文化だから当然のこと。実況のアナウンサーはすでにインドの不思議感に包まれてしまった人なので、情けなく取り乱す。「あぁ、あぁ〜〜〜、なんということだ、いま照明が半分消えてしまいましたぁ」。確かに国際試合だからちゃんとしなきゃならないんだけれども、ここまでくると笑えてきた。この前半終了時点で、「オカネや健康を損なわないハプニング」を「楽しさ」と考えなければ損をするインド感が満載。まだまだ試合中に何かが起きてしまう雰囲気に包まれる。
後半、試合の中盤はインドペース。インド人の応援にも熱が入ってきた。太鼓の音とサポーターの声という基本は他の国のそれと同じ。でも、同じ基本でなんであんな応援をつくってしまうんや???ボン、ボボン、ボボンボン「ホイっ!」。ありえん、ありえなさすぎる。もっとこうなんちゅうか、オーレーオレオレオレー♪ってリズムとかは?しかも「ホイっ!」とか応援されて力強さが宿るんだろうか。数分間続いたボン、ボボン、ボボンボン「ホイっ!」ボン、ボボン、ボボンボン「ホイっ!」ボン、ボボン、ボボンボン「ホイっ!」ボン、ボボン、ボボンボン「ホイっ!」で、おれはすでに失神しかけ。
そして最後の極めつけは、犬。なんで、そんな翼もない大型の動物が侵入してくるの!なんで、もう、どうして???助けて、腹筋が切れそうなほど、謎すぎて大爆笑。しかも試合進行上で、かなりイケてるタイミングでの犬登場。脚本家がいるんとちゃうか?と思ってしまうタイミングもインドらしい。カレー屋とかがスタンドにいてくれたら、もうおれ笑い死にしてたかも。あぁ、よかった、スタンドにカレー屋がいなくて。
みなさん、インドはあんな国です。自由旅行でインドに行ったら、あんなんの連発です。あれがインドです。よく「インドって好きになるか嫌いになるか、どっちからしいですね」と行ったことない人から聞かれるけど、今日の試合はむちゃくちゃ良いバロメータというか、的確なインド診断項目かも。あれを「おもしろい」と思った人はインド向きです。毎日ワンダーワールド。怒っている人はインドに向いていませぬ。

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Before...

jun [アバンギャルド大国INDIA☆]

せっき〜 [私も、犬が出てきた時には一人で大爆笑しちゃいました。そんな私も向いてるかしら…!?]

yoshiya [試合内容は退屈やったけど、スタジアムがおもろかった。ファミコン的なアイテム満載やった。 インドってW杯予選で対戦した..]

メグミ [Mgrの返事は「ダメ」でしたが 極悪のインフルエンザにかかるので 12/28-1/7インド行ってきます。 空気がんが..]

uracci [ニーチェ氏> やった☆さすがEURO2004決勝をエジンバラで観戦した旅人仲間ですなぁ。 jun> そのとおりやで。..]


2006-10-16 沖縄情報☆求む [長年日記]

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どもどもどもー。茨城県でサンマ食ってました。さてはて、今週末あたり友人兼取引先担当者さんの結婚式で沖縄へ行きます。式自体は土曜日。どうせ、maxまで飲むだろうから日曜日は休養日かつ那覇散策として、その前後の日程をどう組むか考えてます。大まかには今週の木曜と金曜はレンタカーを借りて本島の北側を適当に、次週の月曜から水曜or木曜までは近場の島に行こうと考えてます。ちなみに帰るのは木曜日の昼下がり以降。どうせ、島に渡ったらすぐに方向転換してしまう自分を知りつつですが(バックパッカーは特にこの習性を分かるでしょ。事前の計画に意味がないことを)、本島北側のこのあたりがおもしろいぞ!という情報や、本島近郊の島の中でここへ行け的情報(粟国島、慶良間諸島、久米島、渡名喜島あたりの那覇からフェリーで行きやすい島/今回は水納島側や宮古島より向こうはパス)、那覇のおもしろスポットなどなどを大募集中でおます。なにとぞ、ご存知の方、よろしくです。
あと、自分は世界中の道路標識やトイレなどの案内マークを収集しています。おもしろい標識をご存知の方もなにとぞよろしくです。さー、出発まで馬車馬のように働きますわ。

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Before...

takeshi.m [添乗に行ってしまって、週末まで書き込みが出来ないので沖縄情報をざっと。。 那覇市内は朝、夕は車が込むので注意が必要..]

こうたろう [那覇新港→石垣港まで6,130円。ここまで行けば八重山諸島。どうだね・・・行っちゃいなよ〜日本最南端までさ〜、しかも..]

アキコ [八重山なんですけど、 竹富島が一番好きだー。 アジア好きな人だったら絶対気に入ると思うよ〜。 本島だったら、上でt..]

こうたろう [↑竹富はいいよね〜。特に夜は最高!!!静かでさ、そんでもって音を数えてみたら、虫の音、牛の声、風の音、ボイラーの音の..]

uracci [メグ> 結局、渡嘉敷に行ってきたよ! とても良かった。 次に会ったら魅力を勝手に話し始めまする。 takeshi.m..]


2006-10-17 サービス業原理主義 [長年日記]

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もう、またかと思う人もいるだろうけど、安かろう良かろうを求めるなという話である。今日、結婚式の前後に那覇で泊まる宿を『じゃらん』で検索していた。見つけたのは素泊まり2500円ちょっとの、民宿ともホテルともつかないローカル感漂う宿。民宿好きの自分にとってはドンピシャリ!でも、念のために「評価を見る」という掲示板を見てみた。
「安さにひかれて泊まったのですが、うちには幼い子どもがいてエレベーターがないホテルで疲れました。あと、昼に海へ行っていて帰ってきたら虫ちゃんがいて、大騒ぎしました。そういう人たちに向けての労力削減と衛生面に気を使ってもらいたいと思います(=エレベーター付けろ・隙間や何やらを埋める工事をしろ)」
「チェックアウトのときにカードで支払おうとしたら、機械が壊れていて20分ほどかかりました。呼ばれたレジでなくて、別のレジならすぐカードが通ったので、さらに腹が立ちました(=東京並みのスピードとクオリティで顧客対応しろ、できないなら宿なんか経営すんな)」
これ、一泊10000円のホテルとかでなくて、2000円台後半の民宿〜ホテルの話。こいつらは、2000円台の宿にどこまでサービスを求めているのか。おまえらが言っているのは、せめて一泊一人当たり5000円以上の宿での条件だわ。安めの仕事を請けている自分には、提供側の思いがよく分かる。いろんなコストを削減して、安く沖縄に来てもらおうと努力している宿なのだ。少人数スタッフで人件費を減らし、付けたら単価が上がるエレベーターのない状態で低価格設定を存続しつつがんばっている。こういう「ものごとの道理」を分からない人たちのせいで、「自分にできる範囲での低価格路線」という優良宿が壊されていくのか。本当に悲しい。こういう思考回路がゆく末は、「高級ホテル以外生き残れない、泊まれないやつは来るな!」という価格設定だ。何よりも、あんたら貧乏人に向けて努力してくれている業者を潰すようなことすんなや、と思うわけだ。
人にだっていろんなテンションがあるじゃない。気のある女の子に対して奮発したいとき、気心知れた仲間と楽しみたい時、休暇が長めに取れたので安く長く滞在したい場合…、おれらは今の段階で辛うじてすべての選択肢がある。でも、ネット時代にさしかかって、こういう風評が商売の行く末を決めてしまっては、ハラハラドキドキなのである。少なくとも、このゴミどもが言っているのはムチャすぎる。あのね、あなたのダンナか何かはそういう収入しかない人間なわけよ。そしたら、それを公平って言うの、分かる?金持ちのようなことを貧乏人がするのは公平でなくって横並びっていうの。日本人の多くは、この公平・平等と横並びを大いに間違えていて、自分はお高い人間だと勘違いして、自分のランクに本当に合ったサービスを潰していってる。それが、いまの日本。商店街でなくスーパーが生き残る日本。
さて、ここからが二択。このままいってしまうか、勘違いしている人間を目覚めさせるか。勝負するわ、おれこのおかしい状況にピリオドを打ちたい。小さな時は小さいなりの努力を、実ってそこそこになればそこそこの結果を求めていきたい。安かろう良かろうは企業が勝手に目指すことで、消費者はドラクエみたいに口コミとかネットで安くていい所を見つけたらええねん。あるんやから。でも、それが当たり前とか、すべてであるみたいな勘違いは殺しておきたい。すべての人が自分に合ったサービスを選べるように。
(追伸)
酔っぱらいの勢いで書きましたが、言いたいことは消費者が「安かろう良かろう」を求め過ぎて、がんばってる小さな個人・企業をパンクさせてしまうってことです。言ってみれば人数や資金がない人たちは精一杯の低価格路線でがんばるしかない(もちろんアイデア勝負って路線もありつつ)、そこに「あれもこれも」を突っ込みすぎると破産ですわ。単価に見合わないし、もちろんそれを補足する別事業を運営しているわけでもない。で、そういう経営側がいなくなると、文句を言ってたその価格帯の顧客たちが一番困るってことですな。無愛想とか本人の努力で変えられることはドンドン突っ込んだらええ、それが資本主義やから。でも、自分の身の丈に合った商売をしている真っ当な人は潰れてほしくないと思うわけです。しかも、何年に一回も沖縄に行かない人の一言のせいで。痛いなぁ、日本人。このままやったら文化失うで、ほんま。おれの世代でそれやるやつ多いんよな、実際。

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takeshi.m [同感。。 自分がその宿選んでるくせにあほや。。。 ほんまに、最近ぬるいわ!! あの、教師も!! 関係ないか!! ..]

ニーチェ [その価格でその環境を楽しめなかった人はちょっぴり損してる様に思いまする。 でも、それも貴重な情報源だったりもするわけ..]

uracci [takeshi.m> ついつい酔っぱらったら、 「おまえらアホか!」と常々思っていることに 怒ってしまうわけです…。..]


2006-10-18 一本柔道 [長年日記]

okurayama_yokohama

思ったことを包み隠さず昨日の日記では書いた。だから今日も書こう。日本女子柔道、アテネ五輪の話である。これまた、回顧録的旅日記というわけだが、さてはてどうなることやら。

その瞬間、数秒だけ静けさがあった。柔道といえば日本のお家芸。当然、観客も多く、試合のほとんどの時間はニッポンコールに会場が包まれていたと言ってもいい。四角い試合場の中にいるのは阿武教子選手。78kg級の日本のエースだ。だが、過去二回のオリンピックは天才の名をほしいままにした姿の影もなく初戦敗退。三度目の正直ということで、この決勝の舞台に臨んでいた。
試合は序盤から相手の中国選手が優位な状態。この日は日本男子柔道のエース、井上康生選手が負けていた。会場に向かう市営バスの中でやたらと日本語が流暢なイスラエル人から「日本のイノウエ負けたネー。おれはイスラエルの選手をオウエンしにイクンダー」と言われ、旅仲間ともどもチケットを転売しようかと相談したほどの異常事態だった。阿武教子選手が有力な選手だと知ったのは、実は優勝後のこと。それまで、自分はそんな苦労人だということを知らなかった。
10分という試合時間は実は長い。常に気を張って、目に見えない押し引きを繰り返す柔道という競技は、体力的消耗も精神的消耗も驚くほど早い。実際、2階席から見ていても阿武教子選手の動きや汗が見えるほどの緊張感。ウエアの中の筋肉は相手の動きをレーダー探知機のように察知し、数グラムの差でも傾いてしまうような力のバランス合戦を司っているのだ。一進一退を繰り返す互角の攻防。そこに、我々日本応援団が声をかける。背中を押す。精一杯の声を張り上げて叫ぶ。「ニッポン!ニッポン!ニッポン!!!!!」。だが、相手は決勝まで残った選手。そうは簡単に我々を喜ばせてくれない。そうこうしているうちに相手の方が開き直ったのか、ポイントこそリードしているものの、また相手に試合のペースを握られ始めた。こうはしていられぬ。おれたちも精一杯の声を張り上げて叫ぶ。「阿武!!!!!がんばれーーーー−!!!」。「ニッポン!」というコール以外にも、そういった独自の声を出す有志の声は時折遠くから聞こえてくる。大きなうねりのような「ニッポン!」というコールの間隙を突くような、阿武を、日本を応援する一個人の想い。たまに溢れてくる声が、さらに応援をかきたてる。「そうだ、阿武、がんばれ!おれたちが付いているんだから」。あぁ、そこにも阿武選手とシンクロしている人がいる。ほら、そこにも声を枯らせている人がいる。おれもこの会場にいる限り、力の限り叫ぼう。ニッポンでも、阿武でもよい。この力の集合体を大きくするんだ。そして、おれたちの代表の阿武選手に力を100%、いや120%の実力を出してもらうんだ。そういう気持ちの中でおれは「シッカリ!」とか「ニッポン!」とかランダムに繰り返していた。何度も言うが、柔道の10分という時間は長い。ここまで、たった4分間。常にスローモーションのような流れで、試合が目に映し出されていく。そして、相手の引く手と阿武の引く手が同時に展開され、完全にお互いの動きが止まった。力のバランスが五分五分になったのだ。同時にそれまでの「ニッポン!!!ニッポン!!!!!」というコールがやんだ。ときおり聞こえてきた個人的な阿武への勇気づけの声もこのときばかりは聞こえない。超高層ビルの狭間のような、本当に数秒間だけの時間、アテネの柔道会場は無音状態になった。水を打ったように静まり返る会場。目の前には固まっている二人の最高峰の柔道選手。
一瞬が長く長く感じる膠着状態。その時空を切り裂いたのは初老の男性の声だった。ただ一人、透き通った透明な声で「一本柔道ーーーーーーーーーっ!!!!!」と叫んだのだ。それはどこまでも突き抜けていくような、日本柔道の黄金期を知る者の叫びだった。柔道王国、日本が背水の陣となり自然に出た魂の叫びだったのだ。音の大小ではない。会場の日本人もブラウン管の前の日本人も、その声は感じたことだろう。瞬間、阿武選手の体が相手よりも一瞬だけ早く反応した。そして対戦相手の劉霞選手の体は宙を舞った。一閃。決まり手の袖釣り込み腰は、阿武選手が二度の初戦敗退を乗り越えた正真正銘の三度目の正直だった。そして、おれたちは阿武選手とともに表彰式で胸を張って泣いた。挫折、誇り、希望、夢、いまここにいる瞬間、感謝、いろんな魂の象徴が壇上に輝く日の丸だった。大きく雄大に掲げられたそれに向かって阿武は泣いたのだった。


2006.Oct.18〜2004.Sep.19の出来事〜
uracci

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くろ [コーフンしてしまった  会社にて。 きのうはふみん。]

オサム [いい文章書くようになったなぁ。 すごいや。 ええよ!!ええよ! 最近忙しくてふみん。]

ニーチェ [熱いな!]

uracci [くろ> 職業に貴賤はあるけど、 ハイアマチュアのスポーツ・格闘技に貴賤はなし。 ガチンコの良さ+伝統の良さの融合だっ..]


2006-10-23 沖縄日記パート1 [長年日記]

naha_okinawa

はい、いま沖縄です。仕事もやるためいまネットカフェ。さてはて、出発してからの軌跡ですが、まぁ紆余曲折なこと。
19日:朝一の便の寸前まで仕事をするも終了せず、そのまま雲上人に。機内で宮沢賢治の絵本を読む。読了は果たすものの「この人の文は凄まじい…」と感嘆しながら爆睡。那覇について太陽の高さに驚きつつレンタカーを借りて一路北部へ。テンションがあがりまくっているのでなぜだか眠たくない。まったく眠たくならないまま名護市で…
終わってない仕事を片付ける。もう、高い太陽が嫌味に感じる中、カタカタと旧式のパソコンをつつくおれ。アホちゃうか。さて、沖縄の景色はというと、それはもうアジア。なぜアジアか最初は分からなかったけど、給水タンクがほとんどの家庭についているからだと悟る。そうやって見てみると、ほんとインドみたい。ベランダの柵の穴の開き方とかはベトナムやカンボジアみたい。かな〜り不思議なところ。
仕事を終わらせて軽自動車のアクセルを踏みまくって着いたのが安田(ヤスダと書いてアダと読む)という最北の国頭村の村。友人のくろさわくんに教えられたとおりカーナビの周辺検索で民宿を探す。あった、一件あった。この日はこのまったくやる気のない頭が溶けそうな宿で過ごすことにした。「あー、あんた泊まるんかいな…片付けてないさー。片付けな」みたいなやや迷惑そうな感じ。変なところだ。夕方近かったけど海に行ってシュノーケリング。折れた珊瑚が山ほど積もっているビーチで2時間ほど楽しむ。客は遠くに外国人の団体が一組だけなのでほぼ貸しきり状態だった。夕飯は牛肉フェス。夜中に星を見に行こうとしたら、むちゃくちゃ犬に吼えられて引き返すことになったとさ。
20日:朝から雨だったので、二度寝してみる。昨日の夜「あんたらー、朝ごはんは何時がいいのー?」と聞かれたので「9時」と答えたら「遅い」と一喝。「じゃぁ、8時半」と言うと「うーーーーん」と唸るもんだから、結局は8時に起きることになってしまったのだ。朝早くにメシを食べて二度寝。最高だ。頭の中のモヤが晴れて爽快に!!!一路、辺戸岬を目指す。運転していると景色がめまぐるしく変わってかなり楽しい。スコールのような雨や晴天を潜り抜けて最北端の地へ。ここには鹿児島県最南端の与論島との友好碑や本土変換達成記念碑などがあり、戦争を感じさせずには居られない。などと書きながらB級好きのおれを喜ばせたのは11.2mのヤンバルクイナ型の展望台である。以前はことあるごとに叩いていた公共事業の無駄遣いだが、こういうB級ネタになるものは価値があると思い始めた。ようするに、楽しめない人がかわいそうなのだ。その後、泳ごうか泳ぐまいかを雨と晴れに振り回され、結局はドライブをして那覇へ。インターネットで予約した安宿は思いっきりソープランド街の目の前。暇そうな黒服が立っている。そしてこの黒服たちが客と話しているのはいままで結局見ることはなかった。どうやって儲けてるんやろ…。この日は友人の間渕さんが紹介してくれた居酒屋しし丸に!この出会いが後の日程を変えることになるとは思いもよらなかった。詳しくは後日。
21日:結婚式。五次会まで。豪飲する。

ちと仕事のデータ送信がうまくいかないのでここまで。

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ほーり [わ〜のんびり仕事もしつつ沖縄ええな〜。 早く帰ってきて!東京はさむいから七輪となべやろーよーう]

たま [沖縄いーなー!私も行きたい!! 沖縄の結婚式はほんとに盛大で面白いよね。 私も宮古島での結婚式に行ったことあるけど、..]

こうたろう [う・・・、8時の朝食か無期限の睡眠、俺、寝過ぎ。。。(八重山にて) 欲望薄れる南方で、この天秤の選択は大分重要な比重..]

uracci [ほーり> のんびりはしてへんよー。 のんびリしてもたら次の月の収入がえらく薄ーくなっちまう。 そろそろ七輪だ!!! ..]


2006-10-29 飛びに飛んで [長年日記]

okurayama_yokohama

9月末からいままで、けっこう公私ともにうろうろしてましたー。先月末は親父の誘いでグアムへ。なぜか帰りにちょっとだけ淡路島をぐるっとまわるおまけ付き。今月は茨城県の大洗でしばらく滞在して、数日間だけ仕事したら取引先の方の結婚式で沖縄へ。さらには休日をとって渡嘉敷島に行って、エメラルドグリーンの海を堪能。横浜に帰ってきて18時間後には出張で福井へ。なぜだかマイナーな山をふたつ登って写真を撮る。で、帰ってきて今ってわけ。
なんだか忙しかったけど、首都圏の毒気が抜けて完全にリフレッシュ。いやー、無理なんよね、ひとところでジッとしているのって。特に首都圏に住んでから『ガマンタイマー』がゼロになるのが早いこと早いこと。とりあえず、このうろうろのおかげで数ヶ月はガマンできそー。やっぱ旅ってヨイですな。なんてことに気付きつつ、膨大な出費を重ねてきたことに気付く。まぁええわ、パーーーーっと使って、せこせこがんばって、またバーーーーンと行ったらええねん。

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Before...

ほーり [いいねいいね。ばーんといっちゃってバーンと! バーンといきたくてせくせくはたらいてるけど、 8.9.10って結婚式つ..]

ケンシロウ [来月からいろはとほんのり甘い同棲生活始めます。宮城にも遊びに来てリフレッシュしてちょ。さみーから鍋しよう!]

uracci [suna> まいどまいど。幼なじみに書き込んでもらうとなんかくすぐったいなぁ。 今後ともよろしく。放浪はよいよねー。..]

takeshi.m [そうそう!! バーンと行こう!! 旅はいいよな☆ 添乗員はいいバイトやで〜。 まあ、少々自分勝手にはいかないのが..]

uracci [添乗員かー。自分もまぶちさんと同じくおばちゃん得意やと思うわー。 んで、いろいろ行けるもんねぇ。 仕事がまともにまわ..]


2006-10-30 友人きたる! [長年日記]

okurayama_yokohama

なぜだか定期的に開催される通称『フンザの会』が本日も開催された。しかしながら、全国各地に散らばる『フンザの会』の全員が参加したことは未だかつてない。誰かが結婚でもすれば一同に会することができるのだろうか。
さて、本日のメンバーは広島の写真家でライバルの純ちゃん、最近はなかなか順調なようで脅威となりつつある。ちなみに広島空港でも順調に別室行き記録を更新中。そして、新加入は純ちゃんの友達エリック。純ちゃんの旅に着いていったらしいのだが、タイと南米とモンゴル以外海外は知らないというある意味ツワモノ。うちの近所で働いているようだ。さらには「愛と自由と平和」という揺らぐ事のないメッセージを掲げ、戦い続けるサイケデリックトランス&ロックバンド、FREAKY MACHINEのギターえーちゃんと彼女のまきちゃん、そんでもって我が家の2人という合計6名で飲んだのだった。
楽しんだのだが、月曜日の開催ということもあって2時前に解散に。自由業の我が家としては、みんなの滞在時間が少なくて物足りなかったぞ。たのむ、金夜とか土夜に来てくれ!そして朝まで!

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Before...

Eric [新加入させてもらったエリックです JUNちゃんからフンザのメンバーのことはよく聞いていたので、やっと会えて嬉しかっ..]

suna [ フンザの会・・なにやらすごいメンバーの集まりですな・・楽しそう!]

uracci [yoshiya> いつまでおるかわからんから、どんどん遊びにきてや。 JUN&Eric> おつー めずらしくカンパリ..]

まき [七輪でモクモク、もくもく。 のんびりでしたねぇ。 エリックが近所に住んでいることに、びっくりでした。 で、メールを返..]

uracci [鍋、まかせとけ。]


2006-10-31 小さなことからコツコツと [長年日記]

okurayama_yokohama

仕事の合間を縫って、いろいろと対外向けコンテンツを揃えつつあります。ちなみに今日やったのはロフトワークという制作関連者のポートフォリオをアップするところに各種制作実績をアップ。まさか、これを見てポンと仕事をくれる人は少ないだろうけど、こういうのを用意しておけば紹介とかで「制作実績を知りたいんですけど」と言ってもらったときに「ロフトワークにアップしているんで見てください」と言いやすいってわけ。
ちなみに自分はこんな感じ

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takeshi.m [ほおお☆ 凄いな☆ うらっちのやってることが(やってきたことが)初めてわかった!!! ひとつだけ、わからないことが..]

uracci [それは「建物と木を大切にしてください」ですわ。 分かってもらえないってのも、まだまだ修行が必要ですなぁ。 と優等生発..]

JUN [うん、浦のやってきたことがわかった。 標識一つ一つ見入ってしまった。おもしろいね標識って。 そしてこのページもおもし..]

uracci [JUN> 写真用のこういうページもあるみたいね。 写真家さん、カメラマンさんのポータルサイトのようなもの。 なんかア..]