2007-05-03 青蔵鉄道 [長年日記]
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NHKの報道番組とか旅行社の情報アップでだんだんと青蔵鉄道のことが有名になりつつある。この鉄道に乗りたい人もどうやら多いようだ。で、そんなときに聞かれるのが高山病のこと。とある掲示板では「高山病が心配なのですが?」という質問に、無責任な人たちが「鉄道に酸素ボンベがついているから安全です(正確には乗ったこともないのに言ってるから「安全だと思います」)」と答えている。いや、もっとひどいのは大手の旅行会社までがそんなことを言ってるじゃないか。
本当にそうか???これまでゴルムド→ラサの間を行っていた人は、ゴルムド→峠→峠→峠…(中略)→ラサというふうに何度もアップダウンを繰り返しながらラサまでたどり着いていた。この間には4000m〜5000m程度の峠が何個もあり、最終的に3600mのラサにたどり着く。つまり、体が5000mに高地順応をしながら何日も掛けて3600mに着くので「なんだこの程度なら」となるのだ。登山だって自分がヒマラヤを自転車旅したときだって同じだ。宿泊するところは、その日の最高到達標高よりも100mは下にするように意識すべきだ。これは僕の独断でなく、登山のプロフェッショナルが早々に見つけ出した結論(=人類としての結論)なんだから歯向かいようがない。
対して、鉄道には車内の気圧を調整する装置や酸素ボンベが着いている。これはどういうことかというと、高地順応の観点からは平地→ラサを意味していて、酸素ボンベが平地よりも高濃度の酸素を吸うことを考えると、標高マイナス数百メートルの地点からラサを意味する。「ラサ〜、ラサ〜、終点ラサでございます。お降りのお客様はぁ〜…」という放送を聞くや否や突然4000mくらい上空の空間にワープできるのだ。これって危険じゃない?しかも行ったこともない人が中国の言い分をコピーして人に流布しまくるって…。
もちろん、鉄道で酸素吸って無事な人もいるだろうけれども、確率論で言えば絶対に危険よね。みんな無責任だなぁ。
2007-05-06 中国に老人ホームが増えている [長年日記]
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どうやらお隣の国、中国でも老人が増えて老人ホームの建築などが進んでいるという。中国を旅していて感じたのは大家族で住んでいるということ。おじいちゃんおばあちゃんもいれば孫たちもいて、とにかく大所帯のイメージが濃い。だが、NHKのドキュメンタリーを見ていると都市部では老人ホームの建築ラッシュで入居者もかなり多いという。どうやら「ご老人に厳しい」=「若者も厳しい」というのが中国の実情らしい。
我々、日本人も経験してきたことだけれども、時代が進むにつれて多様化した世界が広がることになった。職業も何もかも能力に応じて選び放題の世の中である。豊かで自由な世の中ってやつだ。でも、これって本当にそうだろうか?普通に進学して普通に就職して…という流れを考えると、どうしても都市部に若者が流入していくことになる。そして都市部に定着する。また、こんなに選択肢が広がってしまうと何が自分に合っているのかを吟味しなければならない。これがまた難しい。目の前に「これしかないのだから」とがんばるなんて到底できない。
自分もそうだし、周囲の友人たちもほとんどがそうだ。「これかな?」と選んだ職業、一度ドロップアウトしたら戻れない社会の仕組み、などなどが足かせになって苦労は並々ならぬものだ。実際、実家に帰って新しい仕事を見つけて、しかも親を養うというのは無茶苦茶ハードルが高い。自己実現を捨て、就職の幅は狭く賃金も安いのに、親も養うなんて、自分には難しいと下を向くしかない。日本の歴史を鑑みても、育ててもらった親の面倒を見ることができた方がいいに決まってるし、可能な環境を持っているのに理由もなくやらない人も少ないと思う。頭で分かっていても、財布と体がついていかない。当たり前のことをするのがこんなに難しいなんて…。
対して、ご老人の方もまさかこんな世の中になるとは思っていなかっただろう。何十年も会社人間として勤め上げ、気がついたら子どもがどっかに行っちゃう世の中になっちゃった。仕事一筋にがんばれる人生を歩み、高度経済成長を支え、バブルで人生を謳歌して、最も人生を楽しんだ世代だとしか思えないけれども、最後にこれでは人生が締まらない。「なんでこんなに豊かな世の中になっているのに子どもはどこかに行っちゃうんだ?」と思っておられるに違いない。若者もご老人も「仕方がない」が体を取り巻いているのが現代日本なのだ。
私たち日本人は、この「仕方がない」状況を数十年かけて築いてきた。だが、中国はたった数年しかかからずに、同様のことを体験しているという。こうなると、誰も何が正しいか、何が間違っているか、分からなくなっちゃっているのではないか?私自身はここ10年ほどのタイの現状を見て「日本に似てきたので危ない」と思うし、そういうことをタイ人に話したりもしたのだけれども、中国は状況展開が早すぎる。たった5年で上海は一気に高層ビルが建つようになった。上海のとあるエリアでは、例えば南大阪とか世田谷区の端っこのようなところが、丸の内以上のビル群に変貌した。ご老人のことを一例に、あらゆることが予測不可能になっている現代の中国。中国人はおろか、世界中の人が中国を予測できなくなってきているので、なんだか怖くなってきた。まず、人の心がバラバラになるということを防がねばならないのだが、小さな私の中に妙案はない。
2007-05-07 我が家の庭 [長年日記]
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本当は庭なぞないのだが、家から細い道路を隔てて向かいに大倉山公園という神奈川県でも有数の梅園がある。ここを勝手に庭と思い込んでいるだけなんだけど、2月に梅が咲いてからというもの、自然景観がめくるめく変わっておもしろい。
まず、2月は梅の季節。このときだけは屋台が出たり、ステージで琴や尺八の演奏、野点などがあるため、かなりの人で賑わう。多種多様な梅が植えられているため、当然、早咲きも遅咲きもあって、1か月くらい楽しめた。本来なら梅と同時期に積雪が1〜2回はあって墨絵のような硬派な風景になるのだが今年は暖冬の影響で雪が降らなかった(泣
そこから数週間経つと桜が満開になる。残念ながら今年は雨が多くてあまり楽しめなかったが、部屋の窓から桜の木々や新緑の芽吹きが眺めることができておもしろい。
4月末からは、どんどん緑が増えていく。ものすごく力強く、カラッとしていた雰囲気に生命の息吹が加わり、モワッとした雰囲気になる。ケキョッケキョケキョと下手だった鶯の鳴き声が午前中はホーホケキョと鳴くようにもなる。だんだん緑が増えて、あたり一面が緑のトンネルになる。僕はこの季節がかなり好きだ。池にはオタマジャクシが群れていたりする。
5月になって虫が鳴き始めた。ジーーーーーーーと長く鳴く虫がまず出てきた。湿気が増えたのか、朝4時のいまは公園一面がモヤに覆われていて神秘的な雰囲気だ。さっきタバコを吸いに外に出たのだが、今日は雨の後だからか、連休が明けるからか、とことん無音だった。タバコの紙がシパシパシーーーと燃える音とたまにカサリと落ちる葉以外は何の音もなかった。虫も鳥も人も眠っている日だったのだろう。
明日も朝一番に尺八を練習する人がやってきて鶯がホーホケキョとなく。大倉山公園のいつもの朝がやってくる。
2007-05-25 イスタンブールをつらつらと [長年日記]
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眠りが浅いと夢を見る。脈絡のないものがほとんどだけど、最近なんでかイスタンブールの率が高い。
トルコといえば、世界遺産のイスタンブールもアリだけど、カッパドキアやサフランボル、ワン湖、エーゲ海のリゾートなどなどいくらでも良い場所がある。いや、世界に目を向けているなら、そもそもなんでイスタンブールなのか。せっかく海外の夢を見るんだったらアフガンとかモロッコとか見たいものだ。好きな場所とはいえ「旅先のベスト10」には入っていないし、なんで突然、夢にでてきたんだろうか。
夢に出てくる場所は決まっていてブルーモスクから坂を上って行ったてっぺんのあたり。バックパッカー向けに言うと、tree of lifeの坂をずっと上がって行きトラムが通っている近辺で大学や市場までは行かないあたりだろうか。なんかあのあたりの坂道を歩いている夢が多い。予知夢?イスタンブールに住むんか?おれ。でも、友達もいないし、とっかかりが何もないぞ…。
夢に見る理由として考えられるのは「行きたい旅先のランキング」というものを最近は重視していないのが大きいだろう。旅に出るより「住む」という視点がおもしろいのだ。海外に行った時も、出張で国内をうろうろしているときも「旅先としておもしろいか」でなく、「住めるか」を意識してしまう。具体的には、遺跡とかの見どころの有無よりも家賃とか、市場やスーパーの充実とか、そのエリアの景気やら雰囲気とかを収集し「ふむふむ」と解析して、住んでからのシミュレーション(妄想)を楽しむのだ。
場所によっては「週に●回は■■■を食べて、釣りに●回行って…」とか無駄に掘り下げまくる。妄想はムダなほど楽しいからね。
過去の日記でもことあるごとに書いてきた「旅先ランキング」だけど、現実的なことも含めて「定住ランキング」を考えるとまったく異なる結果になっておもしろい。ということで、実際に比較してみようと思う。キッカケが定住的な夢なので、条件は以下の通り。
・「行ってないところ」はナシ。
・国名ではなく街を単位にする。遺跡名や島の名前もなし。
☆旅先ランキング(リピートしたい街)
1/エルサレム(イスラエル)
2/マラケシュ(モロッコ)
3/マザーリシャリフ(アフガニスタン)
4/ベイルート(レバノン)
5/バンデアミール湖(アフガニスタン)
6/ラダック(インド)※これだけはエリア名
7/アレッポ(シリア)
8/フンザ(パキスタン)
9/グラナダ(スペイン)
10/ロンドンデリー(北アイルランド)
※国名がアリならルーマニアは上位だったなぁ。沖縄県も上位なんだけど旅だったら海外優先???でも、実際に沖縄のランクは高い。
☆定住できそうな街・したい街ランキング(現実も加味して)
1/バルセロナ=単に最も気に入った。景気もよいし何とかなるでしょ。現実的に何のとっかかりもないけど、そんなもの克服したいくらい気に入っている。
2/那覇か宜野湾あたり=本当は島がいいけど、住んだら仕事がないので結局は本島が現実的。でも、こんなに素晴らしいのにVISA不要ってすごい!!!
3/ロンドン=現実的に一番生活を回せる可能性が高い。「住みたい」だけならランク外だけど、バイトでなく今の仕事を活かして社会人としていろいろできそうなので3位にランクイン。
4ブライトン=↑でも大都市は嫌だからブライトンあたりに…て、いま東京を斜に構えて横浜に住んでいるのと同じ発想やん。
5/プラハ=現地人の友達が多い。しかも自分の職業と似たり寄ったりの友人ばかりなので面白い話も出てきそう。
6/イスタンブール=完全に夢のせいでランクアップ。考えたこともなかったけど、冷静に考えるといい場所かも。でも、バイトからスタートは厳しいなぁw「振り出しに戻る」は2005年でたくさんの気もする。
7/逗子市のとある漁港=あらあら7位でもう本州だよ。釣り三昧の上にサーフィンとか始めちゃったりして。関東なんかもうイヤだと思っていたけど、ここならガマンどころか住みたい。
8/以下、現実面で厳しいけどダブリンとかアテネも住むのに魅力がありそう。香港もキッカケさえあればなんとかなるのかなぁ。言い始めたらキリがないけど。
という感じで、当たり前っちゃ当たり前だけど、まーーーったく違う結果になっちゃう。特に分かったのは…
・海外に住むことを考えると首都に頼らざるをえない。
・旅では首都を重視しない。(そりゃそうか)
・「行きたい」と「現実的に住めそう」がダブルランクインした国は『スペイン』。ランク外だけど両方の要素があるのは『アイルランド』と『沖縄』、『プラハ』あたり。そして夢に出てくる『イスタンブール』。
自己分析日記になっちゃったけど、妄想リストにイスタンブールが入ってきたのはおもしろい。
uracci [jun> 沖縄でカメラは厳しいと思うわ。だってカメラマンって現場商売やん? 島国の沖縄は車でバビュッと行ける他県もな..]
ポテルーシ [スレ違い、認識しつつも。 ドイツって国の楽しい観光方法なんてもんを教えていただきたかったり!]
uracci [おろ?ドイツ行くの?VWオーナーとして本国を、みたいな??? なんといってもベルリンだろうけど、 実はミュンヘンしか..]
ポテルーシ [そうそう、ウォルフスブルクというかアウトシュタットというか、訪れるのが夢であります。 いや、まだ予定とかそんなん全然..]
uracci [あんまりマニアックすぎたら分からへんこと多いってw とにかくドイツらしさを垣間みることができるのがベストかもよ。 や..]
赤ぶ [偶然だったが、この番組見ました。 平地→ラサ スリル満点ですな。うはは 可能な対処として、ダイアモックスという薬があ..]
uracci [でしょー、平地→ラサはかなり笑える。 列車と到着後とどっちの時間が大切なのか意味不明ですな。 ダイアモックスは最初..]