2004-10-06 左右確認 [長年日記]
ISTANBUL
ひさしぶりにKONYAに帰ってきた。この宿には今年の5月にお世話になったのだけれども、少し情勢が変わってきているようだ。以前は自由にみんなでメシをつくったり、中庭で雑談を楽しんだりしていたのだが、オーナー一家の方針が転向したらしい。「日本人相手はやめて、欧米人を相手にします」。いまではホステルワールドやロンプラに掲載されて、困らなくなったことが要因らしい。ときに経営者は心を鬼にしなければならないときもあるだろう。たとえ閑散とした冬場に日本人客だけが頼りで救われ続けた実績があるとしても。
自分はこのことに感情論でどうこう言うつもりはない。ただひとつ気になることがあるのだ。ここを実質的に仕切っているのはエリフという女の人なのだが、彼女は学歴も高くインテリのにおいがする。この国のインテリに共通するのは、悲しい左主義者ということ。ヨーロッパに羨望のまなざしを向けるのはけっこうだが、自分をヨーロッパ化させたくてたまらないのである。「ヨーロッパの人がこうしているから」「ヨーロッパの人がこう言っているから」で、自分の主義主張なんてあったものではない。どこかで読んできた、聞いてきた、見てきた話で基本が構築されている。エリフはどうかわからないが、多くのインテリはトルコがアジアの一部を持っていることを恥じているフシすらある。これが大学卒レベル(笑)では、アジア人蔑視などですむのだが、大企業や一定レベル以上の公務員となると国の動きになってしまう。おれは本当にこの国の未来が心配だ。トルコの長い歴史は、けっして西欧にヒケをとるものではない。むしろ西欧を相手に誇っても遜色のないものだ。堂々とアジア+中東+欧州のミクスチャー文化を誇ればいいのである。しかし、トルコ人の一部は本気でアジアを捨てたくてたまらないらしい。
この動きが顕著なのは隣国のイランである。ここはヒドイ。イランはアジアでなく、ヨーロッパになるのだと。イラン人のご高齢の方が聞いたら卒倒しそうな考えを持っている。誇り高きイランは、若者を中心に見る影もない。とあるバス会社の名前なんて「EUROIRAN」。アホかっちゅうねん。こういう動きは両国とも都市部でひどい。行ってみて話せばわかる。
もちろん、いい人もたーくさんいて、素晴らしい思い出もたくさん詰まっている両国なので、ほんとどうにかしてほしいと思う。アジアに帰って来いとかそういうことでなく、おまえららしさを忘れるな、と。いまやオリンピックとワールドカップでしか日本というキーワードのなくなった国出身のオレが、経験者として言っているのだ。がんばれ、トルコとイランを誇る若者たち。 (tDiary warning: tag <br> is not terminated.) (tDiary warning: tag <br> is not terminated.) (tDiary warning: tag <br> is not terminated.)
2004-10-11 役所通い終了 [長年日記]
ISTANBUL
えっと、日本にいる人には、「忙しいんですよ、おれ」と言ってもご理解いただけないと思います。が、忙しいんですよ。久々にVISA取りをしたのですが、もう役所に通うのは疲れる!在イスタンブールの日本大使館は引越ししまくりで、なんとも黒いウワサがあるだけにやるせない。5月の時点ではヒルトンホテルに入ってました。その前はスイスホテル。悪意のない人は「テロの関係で」と思っているらしいが、こちらにすんでいる人に言わせると「大使たちが住んでみたかったからじゃない?」と。で、いま交通のアクセスも悪く、大使館街からかなり離れたところにあるんだけれども、この引越しについても「日本人居留地が近いからだと思うよ」と。本当ならプンスカプンなわけです。小泉政権下で大使館が引越しするんだから、仲良しのアメリカ大使館の中にでも入れてもらえばいいのに。もちろんスルタンアフメットから近いという私利私欲の意見ですが。
火曜日●朝10時にスルタンアフメットを出る。バスがなかなか来ず、5分遅刻。受理を拒否される。これは仕方ない。トルコのバスを甘く見てた。
水曜日●早起きして日本大使館でレターをゲット。競歩選手のようなフォームでシリア大使館へ行くが、なんと祝日!!!運悪い。
木曜日●道路が洪水になるような大雨。宿にあるゴルゴ13をひたすら読破。世界情勢に少しだけ詳しくなる。現実味と知性を失いがちな日。
金曜日●まるっきりオレのミス。レターを持っていくのを忘れた!歩き方のシリア・ヨルダン・レバノンにはさんでいたんだけど、歩き方のイスタンブールとトルコの大地を持ってきてしまう。ガックシ。大使館までがんばって来たのに。
土曜日●沈船のあるところで、BBQをしているオヤジたちに誘われ、しこたま飲む。45%の酒をぐびりぐびり。途中から記憶がない。次の日、宿のオヤジに「酒はいかん」とありがたい説教をもらう。すまん、ムスリムの方々。お恥ずかしい
日曜日●ホテルの前の道路が大きな工事をする。誤って電線を切ってしまったらしく、全館停電。もちろん何もできない。アフガン以来のロウソク暮らし。
今日●やっとVISA申請!あとは受け取りに行くだけ。長かった…
さっさとカッパドキアに向かいます。
そうだ!最近、鯖サンド屋台がなくなっていたのですが、復活し始めてます。今日はしょうゆとマヨネーズ持参でいってきます。うまー。 (tDiary warning: tag <br> is not terminated.) (tDiary warning: tag <br> is not terminated.) (tDiary warning: tag <br> is not terminated.)
2004-10-23 リンゴ増加。ザクロ増加。 [長年日記]
HAMA
あの、リンゴとザクロが毎日増えていくんですが…。ふつーに街を歩いていると、ふつーにバスに乗っていると、ふつーに現地人のおうちにお呼ばれすると(しかも一日に複数回チャンスがやってくる)、「ほれ、お土産をもっていかんか」。ってことでシーズンまっさかりのリンゴやザクロをくれます。道に迷ってバス停まで送っていただけるのはあたりまえらしく、「あー、アンタが道に迷ってたから送ってあげただけだよ。じゃっ」とかいって、スタスタとどこかへ行ってしまいます。ありえん!マジでこんなのありえん!どこだ?ここは?地球上の国か?日本でもこんなことないぞ。つことで、目からウロコどばどば出しながら旅している次第であります。友人のカシイ君。きみがシリアには行っておけと言った理由がよーーーーくわかった。ちなみにほかに聞いた話では…、市場をうろうろしていたら警察(!)が来て「やべー」と思っていたら(たいていの国では警察はやっかいなものである。)、なんと「道に迷ったのか、パトカーで宿まで送ってやるから安心しろ!」とパトカーで送られたり。しかもそのときにパトライト激点灯の上、放送で「外国からのお客様がとおるからモノドモ道を空けぃ!!」と言ったら、モーゼのごとく道が開いたなんていう話があるぐらいですからねぇ。とにかく、アンビリーバブル。まだまだ、シリア旅は続きます。
shino [コンヤへ戻ってきたか。ま、ヨーロッパの周辺なんてみんな同じちゃうか?西欧と同じ価値観を持ってるとどこもアピールしてる..]
かんりにん [というと、宗教が一番古臭い考え方になるんだけれども、依然とそれが世界情勢のベースになってますよね。僕は別に彼らにアジ..]
Shinn [そうか、まだイスタンブールなんだね。5月以来か〜。オレにとっちゃ、遠い過去になりそうだ・・・。]
uracci [きみたち夫妻と歩いた道を今日も通ってきました。絨毯屋の彼にも会ったよ〜。飲み会も継続的にやってるなぁ。おれは酒に弱く..]