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sawadee!!紀行+


2006-04-01 ビッグウェーブ [長年日記]

okurayama_yokohama

今日はエイプリールフールですな。みなさんいかがお過ごしでしょう。
さて、いきなり休刊中のアジア倶楽部から電話がかかってきました。「uracciさんですか?掲載原稿について問い合わせがあって紹介したい人がいるんですが」。よくよく聞いてみると、どうやらアフガニスタンに関する資料を提供してほしいらしい。さらに聞いてみると…、大阪の平和に関する団体がどうこう、と言っていた。ふーんと思って、団体名を控えてあとでネットで検索してみる。ん?
知ってるがな。デカイがな。財団法人やけど、元をただせば大阪府と大阪市、それぞれの本部と教育委員会が設置した大阪城の南側にどかーんと建ってるピースおおさかやがな。ということで、アフガンの写真がピースおおさかに展示されることとなりました。5月末から7月初旬までずっと展示されています。チラシも25000部は刷るらしい。詳細が分かったら大きく告知します。規模が規模だけに、これは30歳になって一発目のホームランになりそうです。もともと有名な絵本作家の方とピースおおさかの共同企画の個展だったらしいんだけど、アフガニスタン大使館に話を持っていったら、地雷廃絶だけでなく元気になりかけているアフガンの現状も展示してほしいとのことで、白羽の矢が立ったらしい。まだまだいきますよ。カメラマンじゃないのに写真がどんどん先行している感じです。ある程度、写真の知識があってよかった。
さて、みなさん。今日はエイプリールフールですな。いかがお過ごしでしょう。

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]

Before...

kazu [東京でも開催してほしいっ!!]

uracci [shinn> これは、待望の展開でした。向こうからお声がかかるって やっぱりうれしいです。内容がアフガンだけにライバ..]

ほり [おお〜すごーい!うらっち! うん。写真ほんとかっちょええもの。 東京ではやらないの?大倉山で開催して!]

石田 [お邪魔します。 ほんとうらたさんの写真はかっこいいっす! 学祭のにいやんの写真まだ持ってありまっせ! 「ロック部,今..]

uracci [ほーり> なんでか、かんでか写真が大阪にて展示されることになりました。 大倉山のウチでそのうち個展風レイアウトにして..]


2006-04-04 おちていんど [長年日記]

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やっぱり民のパーセンテージを上げたい。官だけではダメだ。というのは、クライアントの話。公共の案件って、とっつきはいいんよね。すべてが理想どおり進めば金銭的にはオイシイ仕事が多いんです。でも、たいていはそうはいかない。
まず、ディレクションが下手。これは先にある官庁も、間に入っている一応民のクライアントも含めて共通している。こちらに仕事が流れてきて請けたときにはAという内容だったとする。それで納得して「がんばらせてもらいますよ!」と取り掛かってみると、納品時にはBとなっている。下手するとBを経由してCまでいってしまう。そして、その改訂版がすべてボリュームアップをしてしまっている。みんな、ここらへんに無頓着。なぜなら年度末までにオカネを使い切ることが最有力課題だから。
そういう仕組みだからか、予算組みにここらへんの訂正料金は加味されていない。見積り→納品→請求→振込みまですべてワンパッケージの料金。もう、無料訂正をし飽きましたよ。打ち合わせするなら、課題やらコンセプトを煮詰めて案を握ってこいよ。何しに顔をつき合わせているのか疑問。これだから、こわくて周囲の友人知人を案件に呼ぶときは気を使う。彼女や親友がベストパートナー。似た年齢が多いから料金もなんとかなるし、何かあったら埋め合わせすると約束できる。対して、お世話になった人や、知っているだけくらいの人は誘いづらい。
オカネもここまで訂正があったら自分の取り分だと思っていたのが、自分を含めた人件費でどんどん消えていく。だから少人数でまわさないと修正料が出せなくなるし、結果としていいものができなくなる。せっかく人脈もそこそこできたのに、活かしにくい。これはクライアントに何度も言っているんだけど分かってもらえない。公共体質がはびこりすぎ。
あと、致命的なのはモノをつくるときに、発注側に完成形のイメージがない。もしくは完成系をなんらかの手法をもってしても伝えるのが下手なのだ。こちらで打ち合わせをして固めても、クライアントとその先にある先方でイメージが違ったらさぁ大変。プラス、素材の出揃いが遅いのに、いったん請けたら予定変更なしに線引きした納品日を守らせようとする。もう、打ち合わせに同行させてください。バスッと案を定めて、一度目の提出から公共の人間が本気になってものを考えてくれる担当者・課長の認印欄を設けて臨みますんで。隣の芝は青いというけれども、ほんと民はよい。ディレクターが責任を負うから。あと、週刊誌って厳しかったけど、スパンがよめるのはよかった。思い出した頃にアップしたものの訂正がきても困るっちゅうねん。こっちは「終わりました」と一度聞いてスケジュールを組んでいるんだから。
でもね、私レベルではやっぱり大ホームランは公共から生まれるんです。民はやっぱり厳しい実力世界。それに大して官は甘いと思う。縁故だからっていうのを筆頭として、打率なりにいいのがまわってくるわけです。話の規模がのっけから大きいものがたまにあって、そいつの露出度と露出継続期間がこれまたとても長いんよね。公共でガンッと結果を出せば「どこそこに行ったらおれの作品も見てよ、30年は残るだろうから」ってノリなんですよ。しかも、公共でプレゼンして最初の案を通したとなれば、民での評価も一気に上がろうというもの。この業界を知らない人も知ってる人も、舵取り悩みませんか?メリットとデメリットのバランスが微妙なんです。自分の理想は官の仕事が4、民の仕事が6だと思ってます。
今年はガンガン長打を打ちたいです。でないと、小銭を稼いでインドに住むことになりそうです。


2006-04-05 すんません!!! [長年日記]

okurayama_yokohama

早く旅日記をアップしたいんですが、忙しくなってしまった…。あぁあぁ、ヒット数の少ないホームページの数少ない来訪者の方がまたあきれてしまぅぅぅ。出国時にあふれてしまった仕事があって、その修正に追われているんです。これが9割の理由。残りの1割は何かというと、上海でいじるところが明確じゃないんよねー。ごくごくプライベートな大学時代の友人と会ったりしたんだけど…。あ、みなさんカエル料理とかについて書いたら読んでくれるのかな。メシはなんか書けそうなイメージが出てきました。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]

kumi [カエル料理ね。おいしそう・・・。 グルメ情報は是非聞きたいわ!]

momo [あ。 カエルリョウリね 私は「カエル料理」の料理を「カリ」って読んじゃったよ。ああ頭悪そうだ。 そうすると「カエル科..]

いたみっち [初ツッコミ入れときます。 最近、少しだけヒット数に貢献してるかも。 カエルかぁ。 初めて食べて時は「にらめっこ」か..]

sanjing [ごくごくプライベートな大学の友人です。ニーハオ! bifengtangで食べたカエル、おいしかったですね。。。 今年..]

uracci [kumi> あれ、おいしいよ。ゲテモノに分類されるけど 唯一、ゲテモノちゃうと思う。 ただ、隣の席の中国人が「ウェッ..]


2006-04-18 頭パーで得をする [長年日記]

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タイトルのとおり、最近は頭パーです。ものすごく忘れっぽい。危ないなと思うのは、旅先の宿の名前や通貨のレートを忘れてしまっていること。このジャンルだけは何を努力しなくても覚えることができたのに、最近はヤバイ。ルーマニアのレバとか、ポーランドのズゥオティーとか(←ふたつともオカネの単位)東欧のレートがスッポリとどこかへフライ・ア・ウェイですわ。
ところで、ものごと、表裏一体というか、何といいますか、忘れっぽいおかげで最近はいい傾向にあるんですわ。仕事上、案を考えたり企画を考えたりすることが多いんだけど、そういうのを忘れたら困るのでメモするようになったんよね。これや!と思ったわ。以前は、忘れる案なんて大したことないって思っていたけれども、それは大間違いだね。メモってスゴイよ。そのとき、その瞬間、イケてるって思ったことをメモしているわけで、そういうのが何個か集まれば、それらの一段上の案が出てくる。考えるに、そういうメモってる案やらアイデアの元ってのはモザイクの一コマみたいなもので、それが全体像じゃないんよね。遠ざかってから初めて真価に気づくというか。そういうピクセルのようなものが何個かなければ、モナリザは微笑まないんだよ、きっと。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

mtana [こないだクレームの電話が掛かってきたので対処しにその人の所に出向いたら名前忘れてたw 電話でしっかりフルネーム聞いた..]

いたみっち [偉大、偉大! だけど、すぐになくすダメな自分。]

uracci [あ、パーに自信のある方たちから返事がw mtana> まこっちゃんは、徐々になってきたのじゃないような。 大学から..]


2006-04-19 川二郎 [長年日記]

nakano_tokyo

かつて食うたことのない鰻を食うた。そいつは串だった。丼ではない。いなせな縄のれんをくぐれば、焼き手のおやじさんがどの席にも手を伸ばせるちっぽけなカウンター。品書きも壁も、半世紀という年季を誇っている。もちろん、おやじさんも女将さんも二代目とはいえ、相当の手練れ。裸電球に照らされたすべてはオレンジ色に輝く昭和空間だった。
場所は中野。今回で二度目の訪問である。前回は…10日ほど前にドミ仲間の藤堂さんに、ここ川二郎に連れてきてもらったのだった。ポケットの中にたまっている糸くずのような細い迷路のような路地。古ぼけた昭和の感覚を完璧なまでに今に伝えている一角に鰻のしびれる店があったのだ。
冒頭にも書いたが、川二郎は丼やひつまぶしの店ではない。串がここの醍醐味なのである。ヨソと川二郎の違う点は、この串に集約されているのだけれども、なんと鰻のすべてを食らうというのだ。普通は蒲焼やら丼でお馴染みの身と肝吸いに使われる内臓の一部だけ。しかし川二郎は頭の下のエリやら、骨際のバラ、魚の醍醐味ともいえるヒレ、そして内臓を使う。骨もカリュシュームと名づけられ、ぽりぽり食える。捨てるのは頭の先っぽのみ。そして、この内臓にもひとつのコダワリがある。肝臓のレバーとそれ以外の肝とは別物なのだ。分けて食べると、ふむ、明らかに味が違う。くぃっと冷酒をひっかけながら、内臓を二通り楽しめるのは、酒好きには兎に角たまらんのだ。個人的にはニラの周りにくるくるとヒレを巻いたものと、燻製が凄まじい。と、書いてから、いや待てよアレもコレも捨てがたいと早くも後悔を始めている。とにかくすべてがスペシャルなのだ。
職人芸ともいえる炭火でじゅーっと焼かれた串を、はふはふと食らう店。いやぁ素晴らしい。予算は丼をつけると4000円だが、酒飲みの食い方をすると、冷酒を3杯ひっかけても3000円程度。この味、この技、この雰囲気で、この価格帯は奇跡とも言えるだろう。興味のある方、一緒に行きましょう。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

くろ [おちょこ・うなぎいーね いく]

uracci [いこう くろちゃん、ご招待〜。]


2006-04-21 久しぶりのホリデーも… [長年日記]

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世の中、カネだ。いや、カネでは人のココロは買えない。そんなこたぁどうでもいい。今日は、カネがあったのに不幸になった話だ。
まず、朝起きて美容院を予約した。mixiではココがよかろうってところだった。経緯は端折る。店を出て彼女と会うと「隣国の軍人みたいだ」とププられる。どうやら名前の似た違う店だったようだ。
来週、でっかいプレゼンなのでスーツを買いに行く。いまあるスーツじゃ入らないくらいデブったからだ。なかなか良さげなのを見つけて聞くと、「このタイプはあと2サイズ下からでないと存在しません」。巨乳の人がかわいいブラジャーを買えないと言っている悔しさが分かった。途端にスーツなんかにカネかけたくねぇー、となってしまったよ。とほほ。明治維新のときに、軍人さんたちが着物を脱いで洋装になったところからスーツの歴史を恨んだね。ちとカネかけてこぎれいになろうとしたら、これだ。
さらに小人なことを書くと、次点で買おうとしたものが意外にも安くてうれしくなってしまったことだ。30歳にして、この密度の薄い上り下がりが情けない。わははは。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

joy [拙者も順調に成長しております。。。5月連休明けにまた上京予定です。]

uracci [ぜひ、連休あけには出頭すること。ウチの彼女が泥酔する以外は丁重におもてなしします。うぃ。]


2006-04-22 東欧共産主義に学ぶ [長年日記]

okurayama_yokohama

2月の『グッバイ・レーニン』に次いで観たのが、今日の『ヒトラー最期の12日間』。ちょっとウチは東欧がブーム。手塚先生の『アドルフに告ぐ』を読んだあとだけに、すぐに入り込むことができた。戦争の形態が爆撃から経済的なものに変わりつつある現代だけれども、古きから学ぶべきところが多々あった。すばらしい映画だ。
まず、日本人の私たちは恥なければならない。なぜならば、戦時中のことを学校で学べず、戦争経験者からの話も聞かず、戦争経験者も話さない。こんな最悪なことはないだろう。戦争のことを知らない国民が、どんな外交軸から国会議員を選んでいるというのか。あげくの果てには、ニュースやネットで配信される情報をナナメ読みして、小泉外交はああだこうだと無責任に発言する。一般人の我々が事実を知らなければ、いつまでたっても国会もああでしょう。もちろん、国民に知恵をつけられたら困る国会議員は多いんだろうけれども。
今後、対韓国や対中国の外交に対してもいろんな方法があると思う。だらだらと頭を下げていくのか、強硬に突っぱねるのか、一度頭を下げてすべてをチャラにするのか、若い世代からじわじわと仲良くなっていくのか…それともアメリカのようなえげつない大人の外交をするのか。(どっちかっていうとされているんだけど)どんな方法を取るにせよ、問題点となっている太平洋戦争の現実をもっと年上の年代から引き出さなくてはならない。事実を知らなければ、マッスグも歪曲もしようがないでしょ。いま、猛烈に戦争体験と戦争を仕切っていた人たちの話を聞きたい。

それにしても、もうこの世界にはイデオロギーの対立は起こらない気がしてきた。早く、それらの雰囲気が残っているエリアを旅して伝えるものを伝えなければならんと感じた次第。同時にこの映画のおかげで国内に目を向けるキッカケをつかんだ。ありがとう、『ヒトラー最期の12日間』。


2006-04-23 ヨドバシ党 [長年日記]

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2〜4月の領収書をひたすら整理する。昨年の年度末に苦しんだのでこまめにやっておかないと。今年から青色申告を目指すんだけど、支出のバランスがすこぶる悪い。車で移動したもの以外の出費のほとんどがヨドバシカメラ。ただのオタクだ…。これから先のことを考えても、移動費以外はヨドバシカメラしか見当たらない。もっとバリエーションほしいよぉ。
blog閲覧者にとってどうでもよいであろう欲しいものリストを書くとこうだ。
・powermacG5以上のmac…強ければ強いほどよし!
・FAX…顧客には潰れたのでメールで送っていただけませんか、と言うも持ったこと一度もなし。忘れた頃に必要になるタチの悪い一品だ!
・フィルムスキャナ…簡易でもいい。とにかく自分が撮ったポジでダミー原稿つくりたい。死活問題。
・ブツ撮り一式(特に照明&三脚)…室内でのブツ撮りが多くなってきたので。強い三脚がほすぃ!!!
・中版カメラ…35ミリじゃものたりなくなってきた。見開きとかにズガン!と掲載したいよ。ペンタの6×7とかがよいのぉ。
・明るいレンズ…望遠使ったらf4.5〜とか、そんなレンズ使いたくない!
とまぁ、こんな感じです。あ、一番欲しいのは、これまでの旅を掲載してくれる雑誌だわ。企画書や仮掲載例をばんばんつくらんと。そのためのヒマな5月がある!

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

いたみっち [FAXは、ブラザーのレーザー複合機を昨年末に購入しました。 仕事ではモノクロのプリントアウトで大半は事足りるので結構..]

uracci [いたみさんはこれまで白色だったのでしょうか? そういえば、レーザーほしいです。 せめてモノクロでも。 自分もwinと..]


2006-04-24 いきなり北海道 [長年日記]

sapporo_hokkaido

滞在時間24時間ないがな!明日の朝一番でのプレゼンで北海道に来てます。打ち合わせを兼ねて駅ビルに入っている居酒屋に行っただけ。いまは、まるでテスト勉強かのように暗記、暗記、暗記。しかも8時起きだ。せめて旅の友達とかにちょっとでも会えたらうれしいんだけど、帰京は15時の便。勝ち取って再訪するしかないね。
写真は北海道限定(相変わらずこういうのに弱いなぁ)のサッポロクラシックビア。
北海道限定


2006-04-26 エジプトの爆破テロ【こういう機会に中東情勢】 [長年日記]

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また滞在した所がドカーンとやられちゃった…。コロンボもデリーも、よく知っている所だったけど、今回もまた毎日歩いて通っていたところだよ。事件のおこったダハブというのは、シナイ半島(アフリカの東側&イスラエルとヨルダンの南)に点在する紅海リゾート地のひとつ。このエリアでは爆破テロが相次いでいるのね。他所よりも圧倒的な頻度で。理由はイスラエル人が来るから。
おそらくテレビや新聞を見た人は「エジプトは危険」と感じるんじゃないかなぁ?それは微妙に違うのです。正確には「シナイ半島は特に危険」。ピラミッド観光などの一般的なエジプトは、他にもテロの可能性のあるところと同レベルの危険性です、個人的には。つまり、IRAが活発だったときのロンドンや、印パが緊張しているときの両国首都も似たようなもの。突発的に何か起こる可能性がある場所。新婚さんたちを巻き込んだルクソールの乱射事件があまりに印象的だからか、エジプトに対して危険視しちゃうんだけどね。でも、それとこれはちと違うのです。シナイ半島は、二枚舌外交の連鎖が生んだ副産物なのですから。
まず、歴史から振り返ってみると、イギリスが悪い。中東全域に支配を拡大していたイギリスは第二次大戦のときに、アラブ諸国にはエルサレムの統治を移譲すると約束し、イスラエル人たちには同じくエルサレムを中心とした土地をあげると約束したのよ。つまり、対極の立場を取っているふたつの団体に、二枚舌の約束をした。で、知っての通りあそこにはイスラエルという国ができちゃった。アラブ諸国からすると、約束を破られちゃったわけ。自分たちの宗教の聖地エルサレムが返ってくるはずだったのに。ここから中東の不安定は始まっちゃった。
次に悪いのはエジプトの現ムバラク政権でしょう。こちらも二枚舌。聖地エルサレムをイギリスの裏切りとイスラエル人によって奪われたアラブ諸国は、一致団結してこれらに立ち向かうことにしたのね。イスラエルなんか存在しない、あそこにあったのはパレスチナという国だ!って。これは「アラブの大義」と呼ばれているんだけど、聞いたことのある方も多いはず。で、ムバラク。こいつはある意味かわいそう。アラブ諸国が一致団結されるのを嫌ったイスラエルとアメリカは、このアラブの大義の切り崩しにかかるわけ。中でも目を付けたのがエジプト。ある程度の軍事力を保有し、王国制でなく、地中海と紅海とスエズ運河を持っていて、悪の枢軸扱いするスーダンからも近い。ということから、アメリカ(もちろん背後にイスラエル)は猛プッシュしてエジプトにアラブの大義よりも自分たちにつくことを要求。いろんな外交的とりまとめから、エジプトは両サイドを意識した天秤外交に切り替わったわけ。あるときはアメリカ様で、あるときはアラブの大義。パキスタンと同じく、国の危機と考えると嫌いなアメリカとも手を組まなきゃならないし、国民や仲間のアラブの総意思も裏切れない。中途半端な国になっちゃった。
まとめると、エジプトはイスラエルという国の存在を認めて、ユダヤ教徒の聖地でもあるシナイ半島をイスラエル側に解放。そして(イスラム教徒にとって)招かれざる客が入ってきたイスラム教徒は、その政策に断固反対したい。ということから過激派のテロがシナイ半島で頻発するようになっちゃったわけ。それが証拠に、いつも起こるのは戦勝記念日とか、国の政策が生んだ祝日の前後に起こるわけです。
▼エジプトの公衆電話。パレスチナとイスラエルの両方の国に電話できるんですかー。そりゃ、すごいや。
どっちもあるって新しい
▼エルサレムの「岩のドーム」と「嘆きの壁」。すべてを引き裂いている場所。
ナナメに撮っちゃった…

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

mtana [ただいま「ローマ人の物語」を読んでますが紀元前でも中東ってのは緊張状態に陥るのが日常茶飯事だったらしいすね。 200..]

TEKKAMAKI [う〜ん、風土かな。雨が豊かで、土壌が豊饒なら食いモンに困らない。人間、根本的に食いモンに困らなけりゃ緊張状態にはなら..]

uracci [mtana> 時間ができると、けっこう勉強しちゃうよね。あんだけ小中高でヤだったのにさぁ。 根本的にダメなのはアメリ..]


2006-04-29 こういう機会にアメリカについて [長年日記]

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さっき下の日記でアメリカが悪いって書いたので、自分とアメリカのつながりについてなんでかカミングアウト。
●小学校や中学校の途中まではアメリカってスゴイと思ってた。
これはもう読んで字の如し。そういう教育を受けて、そういう世の中で、親たちもアメリカはスゴイと思っていた。いまと違ってサッカーよりも野球がちびっ子の人気スポーツ。神様バース様を筆頭に、フュージョン系ミュージシャンの出立ちをした敵ながら打ちまくるクロマティーなど、助っ人外国人なるものがすべてアメリカ人だった。そりゃ、スゴイと思うってば。親父の話とかを聞いていても、デキル人材はすべてアメリカ出向。子どもから大人までアメリカ万歳の世の中かと。。。
●そんな中で持っていた疑問。
それは社会科の授業。好奇心旺盛だった自分は、なぜ竹槍ででも対抗していた鬼畜米兵に向かって「ギブ・ミー・チョコレート」と言ってしまうのかに著しく疑問を持った。親や先生に聞いたけれども、日々の遊びが重要で、せっかくの疑問も記憶の彼方に。いま尋ねても「なんで子どもは生まれるの?」という疑問への返答の方が困っていたらしい。
●疑問を決定づけた事件
おそらく自動車だったと思う。対米輸出黒字が膨らんで、トヨタやホンダの輸出増がGMやFORDの赤字に大貢献してくれたときに、アメリカ政府がとった政策。スーパー301条に関するニュースがそのキッカケ。確か当時のアメリカの高官が「日本に対してスーパー301条を発令し、【制裁】をすることにした」と会見。それまで、尊敬すべき仲の良い友達と思っていたアメリカという国の高圧的な態度に気付く。ちょうど思春期で、イジメやら何やらが学校とかでも問題になっているときにこのニュース。制裁というコトバに過剰に反応。
●それでも。。。
高校でバンドに目覚めた自分は、やはりアメリカの音楽から影響を受ける。大学生を終えるまで、さまざまなアメリカ人から影響を受ける。これは認めなければなるまい。でも、同時に日本語訳の歌詞を見てゲンナリする。「おれはジェシカのことをそれでも愛しているぜ。バーボン片手にイェー」みたいな含蓄のない淡白な歌詞や、いまいちピンとこないキリスト教関係の歌詞、異常なまでの星条旗へのコダワリなどがそれだ。大学生の後期にはアメリカよりUKのサウンドが好きになるが、何かと比較。いま考えるとそれって逆の意味でアメリカに影響を受けている気もする。
●同時に
大学生のときから旅を始める。数多くの民族や宗教や経済階層の中を歩く。次第に「アメリカやキリスト教がなければ平和な世の中じゃないんだろうか?」「エルサレムが地殻変動で自然に水の底に沈むと世界は平和になるんじゃないだろうか」などと考え始める。ピントははずれていないけれども、いまいち決め手に欠けた。
●戦場跡にて
2004年の旅でアフガニスタンとエルサレムに行ってから、【自分なりの】いろんな結論が出る。忘れられた紛争地と、いまも揺らいでいる聖地。人々の感情や、実際に犠牲になった人々。加えて東欧やアウシュビッツなどにも行ったため、宗教にもイデオロギーにも視点が増えた。机上の上で展開していたことが、実地体験でいろいろ固まった。同時に世の中のウワサや報道よりも、実際に自分の眼で見たことの方を正しいと思うようになった。結論としては、やっぱりアメリカは最悪である。

恥ずかしいのは、社会人時代のある時期に必要悪としてのアメリカは必要なんじゃないかと思っていたこと。良くも悪くもアメリカが引っ張った方が、いまの混沌とした世の中を強引にまとめられるかもしれないと感じていた。いま考えると、とても恥ずかしい。欧米が20世紀に残した負の遺産と、21世紀にアメリカが先導して日本にカネを出させて行ったことは最悪なのである。おれたちは何十万人も殺して、何百万人もを不幸にして、いまぽけーっとこの生活をしているのだ。ニートの問題やら個人個人の問題も解決しなきゃならないけれども、人道をはずして人の不幸の上にいま、ここで、呼吸をしていることを、必ず必ず忘れてはならないんだなと思う。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

uracci [追加。上で欧米の残した負の遺産ってのは、特に英国とフランス。アフリカに直線の国境を引いてモメ事や治安悪化のタネを捲き..]

ゆっきー [うらちゃん、エルサレムに行ったことあるんだ〜! 私も一度は行ってみたいと思ってます。 そして「エルサレムが地殻変動で..]

uracci [なんか、発信不足でいろいろ体内に貯まっているんよねー。]