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sawadee!!紀行+


2006-10-04 いまが整理するときなのに [長年日記]

okurayama_yokohama

景気が向上しているそうな。「いざなぎ景気」並と言われても、バブルすら知らないおれたちの年代は、それがどういうものかピンとこない。対して、バブル後の不景気はよーーーーく知っている。そう、まるで阪神タイガース暗黒時代のような、あの不景気だ。さて、そんな世代育ちの自分だけど、景気上向きはちょっとずつ感じている。いろいろと二束三文のものが増えているのだ。例えば、townworkなどの求人情報誌を見ると、なんだかページ数(=雇用の量)が増えている気がする。自分の仕事では…安めの仕事がどんどん増えている。うむ、そちらに伸びてきたか、この景気は。
これは、誰もが思っているだろうけど、まったく良くない。世の中のモノや雇用や、果てはおれの労働単価まで、安くてたくさんはダメだよなぁ。正社員雇用を増やして、モノづくりも本物志向になって、社会の末端も「これは何か良いぞ」という社会にならなきゃいけない。でないと、自分のような勉強中の人間は、「がんばったらあんなこともできるんだ!」という夢のある将来を描けないじゃないか。偽物やそこそこの質だけをたくさん増やす今回の景気は、日本の先細りしか想像できない。

当たり前グラフ

いつから日本はコンピューター産業で遅れを取ったのだろう?いつから日本は衛星ロケットを他国に打ち上げてもらわなければならなくなったのだろう。それは「商売」から「ビジネス」に日本経済が変化してきたことが大きい。リスクを避け、大きく儲けようとする大手企業型&東京型の「ビジネス」は、確かに一時的な不況に強く一時的な好景気に乗っていける。先の不景気で製造業の生産拠点を中国やマレーシアに移した各社の施策なんて、まさにその象徴だ。でも、本当にそれで良かったの?何か大切なことを失ってないかい?
「やっただけ儲かる」という実力主義は大いに歓迎する。でも、その実力=実績を「自分だけ」とか「自分達の会社だけ」「いまが一番大切」でヨシとする東京型のビジネスでは、今後は危ない。景気が上向きの今だからこそ、薄利多売の世の中に別れを告げ、量より質を向上させていかなければならない。そのためには「ね、ええ質でしょ。我が社はもっと勉強してええもん作って、お孫さんの代まで面倒見させてもらいまっせ」という大阪型の商売=商いの精神が必要ではないか。おれって考え方が古いんかなぁ。