2007-03-07 思い切ったネーミング [長年日記]
haneda to hakata
そいつは、飛行機に乗り込むゲートの横の売店で見かけた。これは「死んでくれ」と思う人に送るのか、それとも「死んでお詫びします」という相手に渡すべきなのか…。とにかく「モナカ」と読んでもらえるか「サイチュウ」と読まれるかで大きな違いがある気もする。いざ福岡へ。
で、久々に福岡の地に降り立つ。実は二度ほど福岡へ来たことは会ったのだけれども、どちらも素通りに近いためあまり思い出はない。今日は果たしてどこへ行こうか。博多駅から5分ほど歩いたホテルにチェックインする。なんてことない普通のビジネスホテルだ。さて、いまから食べるとこでも検索するかとネットを見ていると電話が鳴った。
「もしもーし、仕事を早く片付けたんですけど、何か食べました?いい店、見つけているんですけど」。きたー、一度は見捨てられた相棒から電話がかかってきた。この相棒は、「出張」と書いて「新規美味しい店発見ツアー」と読んでしまうほどの男で、舌の方も間違いない。さっさと会社を辞めてメシ屋を開きたいと社内で公言しているほどの人物だ。うーん、よかったヤツに任せておけば間違いはあるまい。
早速、合流して行ったのは中洲の「一京」という店。おっちゃんが、かなりきている。ほんと世話好きで遠方から来た客は絶対に世話を焼かなきゃ気がすまない、九州男児である。ん?この感じどこかで体験したことがあるような…。思い出せば、旅の途中で出会った「なんじゃこの人たちはー」というやさしい人たちに似ている気がする。ヨルダンはアンマンのクリフホテルに勤めるサーマルや、沖縄しし丸の大将の方向性だ。彼らほど、うぉーーーー!!!という感じではないにせよ、商売そっちのけでかまってくれるのが旅人としてはうれしい。旅人的よろこびを満たしてくれる人で、寡黙でシャイで落ち着いて黙ってメシを食べたい人以外はバッチリOK。料理がこれまたすごくて、いい店を教えてくれて下手な店を案内できないマブチさん、とーどーさんにも安心しておすすめできるストックができちゃったよ。何が凄いって魚の新鮮さと、丁寧な調理技術だ。あと、旬のもので良いものを仕入れる能力とでも言おうか、ほんとここはおすすめである。
特に思い出深い食べたものは…
・刺身盛り合わせ(ヒラメ、イカ、サザエ、赤貝、生サバ、などなど8種ほど)
・白魚の踊り食い(本州のとは違う年間で10日ほどしか食べることができない幻の珍味/ラッキー)
・ゴマサバ(福岡の名産)
・魚ロッケ(白身魚のすり身でつくったコロッケ)
・若鶏の唐揚げ(日頃から居酒屋で食べているだけに味がズバ抜けていることが歴然)
などなどを福岡の日本酒「一本〆」やら新酒やらとともに、とことん食らったら、ラーメンに行く余力がなくなっちゃった…。でも、おやっさんの接待は止まらない。いろいろいただいて、お会計を済ませても「せっかく来てるんやから、もっと食べんしゃい」と、自分が酒蔵に配合を指示してつくった焼酎やら、新鮮な魚の刺身をつくるときに材料が出てきたんだろうなというアラ汁(アラという魚ではなく、一般的なアラ)、魚のかき揚げなんかをいただくことに。それでも、おやっさんは止まらない。最後にはうちの彼女に電話して「あんたも来んしゃい」で締めくくることになった。あー驚いた…。
というわけでuracci的福岡株は赤丸急上昇してしまったのだった。余談だが、あれほど人に聞きまくったほどの熱の入れようだったラーメンを食べ過ぎでパスするより他はなかった。おそるべし、博多の一京。