2004-06-03 コネクティング [長年日記]
PARIS
8年ほど前に初めて旅をした。行き先はグレートブリテンとパリだった。同じ旅で、ランズエンド(世界の果てという地名、相変わらず欧州人は傲慢だ…)というUK&アイルランドで一番の西端部分に行っていたので、今回の旅でそのとき行ったところを再訪してつなげられれば、いまのところ自分の生涯ではランズエンドまで陸続きで旅したことになる。
ということで、エッフェル塔に向かった。その8年前の旅でもっとも南東に位置していたところ。その前に同じ宿で今日帰る女の子とアラブ研究所というところに行ってみた。ジャン・ヌーベルという建築家が建てた銀色のおもしろい建物。しかも、こいつは空の色を反射する。今日は灰色と水色が混じった色をしていた。屋上から景色を眺める。8年ぶりのパリは、正直あまり変化を感じなかった。というのも、前は初めてだったので周りを見る余裕なんてなかったのだろう。いま、自分が見ている景色は2004年のパリという自信があった。もう、いいかげんヨーロピアンやヨーロピアンタウンも見慣れているし。
今日で帰るというその女の子にカフェでカプチーノをごちそうしてあげて別れた。カタコンブというB級観光名所に向かったが、どうやらアラブ研究所で時間を使い尽くしたらしい。閉館していたのだ。まだ夕焼けまで長いのを知りつつエッフェル塔へ向かう。いまも前も観光客だらけ。自分もそうなのだろうから、いまの自分は客なのだろう。フランスにとって。いとも簡単につながった。前に腰掛けたところにふたたび座ってみた。「エッフェル塔へ歓迎!!」。相変わらずの何かおかしい日本語が迎えてくれる。あのときと全然かわっていない。いま、ここにデリーからランズエンド岬までつながったのだった。