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2003-01-05 試験運用5 [長年日記]

kobe

●見出し案39
パリに見る近代建築の未来。
(パリ/フランス共和国)
パリの建築家が日本でも活躍している。周囲の景色を映し込む斬新なデザインで世界を魅了するジャン・ヌーベルは、東京の汐留に電通タワーを完成させたことで日本人にもおなじみである。ここパリにも彼の代名詞ともいえるアラブ世界研究所があった。
※写真/アラブ世界研究所
▲2001年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞したジャン・ヌーベルの代表作。

●見出し案40
『さらば青春の光』の街、趣が変わる。
(ブライトン/イギリス)
60年代イギリスにおいて、大きなうねりとなったモッズという文化。その聖地がここブライトンだった。しかしながら、現在は同性愛者の聖地となっているのが現状のようだ。毎年8月には『ゲイプライド』と呼ばれるフェスティバルが開催され、世界各地から同性愛者が集ってくる。
※写真/ゲイプライド
▲フェスティバルのパレードは昼間に開催されるが、祭りは深夜まで続く。

●見出し案41
舞台の裏側で彼は泣いていた。
(アテネ/ギリシャ共和国)
内股での一本勝ち。鈴木桂治(平成管財)の金メダルに列島が湧いた。その影で大きな男が泣いていた。タメルラン・トメノフ選手(ロシア)である。その涙は本気で戦い、そしてチャンスに決められなかった悔しさからこぼれたものだった。一度限りで天国と地獄に分かれるのが真剣勝負である。
※写真/負けて泣くロシアの選手
▲決勝戦の観客はほとんどが日本人。鈴木選手への拍手と声援は彼の無念さをさらに募らせた。

●見出し案42
たった1時間で真っ赤に染まる街。
(ブニョル/スペイン)
世界で最も由来に説得力がない祭り、トマティーナ。1940年代、ブニョル市での祭りに参加していた音楽隊の行進に向かって、悪童たちがトマトを投げたことから始まる。1949年には市役所の後援も取り付け、世界的に有名になっていった。なんと、ここはトマトの産地ではなく、他所から買っているという。
※写真/トマティーナ風景
▲トラック5台、120トンものトマトがたった1時間でなくなる。終了後は近くの川で体を洗う人が多い。

●見出し案43
意外な食文化の近似。
(フエンヒローラ/スペイン)
日本人とスペインのバル(バー)はすこぶる相性が良い。その理由のひとつに魚介類が豊富なことが挙げられる。イカ・タコ・カニ・アサリなど、他の欧州の国とは違って我々の食文化と非常に近い素材を使う。酒類はビールやワインの他、ワインカクテルのサングリアなどがメジャーである。
※写真/アントニオの店
▲人気のバルは味も良い上、回転が早いため素材も新鮮である。

●見出し案44
スペインにはイスラム世界が存在した。
(グラナダ/スペイン)
7世紀に興ったイスラム教は一気にアラブ・北アフリカと西に広がっていった。その西端は、なんと現在はヨーロッパのスペイン。1238年にはここグラナダを首都とする王国が誕生している。1492年に陥落するまで、ずっと育まれてきたスペインのイスラム文化の粋がアルハンブラ宮殿だ。
※写真/アルハンブラ宮殿の池
▲アルハンブラは「赤い城」という意味。砂漠地帯で生まれたイスラム建築は水を巧みに利用する。

●見出し案45
太陽が降り注ぐ街の住宅事情。
(バルセロナ/スペイン)
新旧の調和。このテーマで最も成功している街のひとつにバルセロナが挙げられる。近代的なビル群から個性的な集合住宅、1900年代前半の味わい深いアパートのすべてが並ぶ。また、ガウディを筆頭にミース・ファン・デル・ローエやジャン・ヌーベルまでもがひとつの街を形作っているのだ。
※写真/サグラダファミリアと街
▲サグラダファミリア大聖堂の展望台からは、バルセロナ市街が360度見渡せる。

●見出し案46
2006年、ロード・トゥ・ジャーマニー。
(ミュンヘン/ドイツ連邦共和国)
人口130万人、ドイツ第三の都市にしてバイエルン州の州都ミュンヘン。オリバー・カーン率いる「FCバイエルン・ミュンヘン」と「TSV 1860ミュンヘン」のホームタウンとして、ここもワールドカップの開催地に選ばれている。新設されるアリアンツアレーナは今年にも完成する。
※写真/建築中のスタジアム
▲本戦では6月9(開幕戦)/14/18/21/24日、7月5日(準決勝)での開催が既に決まっている。

●見出し案47
駅で夕飯を食べる人たち。
(ウィーン/オーストリア共和国)
ハプスブルグ帝国時代を筆頭に、貴族の国であり続けたオーストリア。旧東欧と隣接している立地にも関わらず、物価は驚くほど高い。首都ウィーンでは、浮浪者やルーマニア系ジプシーへの炊き出しが行われていた。栄光の歴史の影で生きる人たちが、自由化の影響で増えている。
※写真/炊き出し
▲炊き出しを食べたあとは、朝まで駅構内で野宿する。その数は100人を軽く超していた。

●見出し案48
フランス文化の足跡をたどる。
(アレッポ/シリア)
フランスの旧植民地政策が成功した例は数少ない。いまでもアフリカでは、旧フランス領の国々で政争や内戦が起こっている。そんな中、フランスが残した文化でも最も評価できるのはスイーツ(洋菓子)である。ここシリアでは、高級かつ美味なケーキがいまも国民上層部に食されている。
※写真/hanaのケーキ
▲あらゆる味が楽しめるケーキ。特に生チョコのケーキは欧米で食べるものと比べても遜色がない。

●見出し案49 庶民の暮らしから知るイスラム教。
(アレッポ/シリア)
イスラム教の教えを体感したければ、シリアに訪れてみるのはどうだろうか。昨今のニュースで危険なイメージばかりがつきまとう宗教だが、その素顔は純朴なものである。貧しい人を助ける教え、他人に幸せを分け与えるという教えがここまで浸透している国は、数少なくなってしまった。
※写真/3人組
▲資本主義社会に組み込まれていないイスラム教の国として、独自の価値観を世に提供するシリア。