2006-08-01 尺玉音=デブのメカニズム [長年日記]
okurayama_yokohama
花火の音が聞こえる。横浜のみなとみらいという所で花火大会をやっているのだが、忙しくて自分は行くこともままならない。もちろん花火の美しさは見ないと分からないし、あの人ごみも含めて会場に行かなきゃ夏だなぁと感じることはできない。
本当にそうだろうか?人間には五感がある。いま封じられているのは視覚と触覚だ。残っているのは嗅覚と聴覚と味覚。嗅覚は…、花火の火薬の匂いを感じなければ、花火という気はしない。風向きとか遠さの関係上、ほぼ不可能か。残るのは聴覚と味覚。音はさっきから聞こえている。うむ、クリアにこの音を楽しむために、音楽と扇風機を消そう。ドーンという音がたまに聞こえる。序盤戦か、間があいて花火が上がっているようだ。よく聞けば、そこには音程も存在することが分かる。大砲のような低い音もあれば、ボフッというしめったような音もある。勝手に想像すると、低い音の方が玉が大きそうな印象。そこに妄想で「うむ、これはピンクだ」とか勝手に決めつける。たまにドーンドドドーンパパパと複雑なものもあがっている。これも音程とかを聞き分けて、それぞれのタイミングで色を割り振ってみる。美しさと空しさの交錯。そして、おれは残る味覚に手をつけた。 【完】