2003-01-03 試験運用3 [長年日記]
kobe
●見出し案18
カルザイ政権の組閣バランスが占う、アフガンの未来。
(ドゥシ/アフガニスタン・イスラム共和国)
そもそもアフガニスタンは多民族国家である。タリバン政権以前は、タリバン率いるパシュトゥン人、故・マスード将軍(写真)が率いるタジク人、チンギス・ハーンの子孫といわれるハザラ人、その他にも国家が入り乱れて戦国の様相を呈していた。2004年現在、どの民族も独自性を忘れたわけではない。
▲故・マスード将軍に忠誠を誓うタジク人。いまなお彼の肖像は北部の街のあちこちで見かける。
●見出し案19
サウナ後の笑顔は万国共通である。
(マザーリシャリフ/アフガニスタン・イスラム共和国)
中東〜南アジアでは風呂がない。その代わりにハマムという公衆サウナがどの街にもあった。トルコや中央アジアでは大きなサウナに所狭しと人がいるのだが、アフガニスタンのそれは個室になっている。子どもから大人まで入りに来るが、アフガニスタンには女性用がないことも多い。
▲銃を持って、湯気の張るサウナから出てきた兵士。銃弾に湿気が入ってしまってもお構いなし。
●見出し案20
世界でも手のシワは人生を語る。
(マザーリシャリフ/アフガニスタン・イスラム共和国)
私たち日本人の生活にも密着している手相術が、アフガニスタンにもあった。よく調べてみると、3000〜5000年前の古代インドから始まったとする説が有力らしい。シルクロードを通り、アフガニスタン、中東、ヨーロッパへ伝えたのはジプシーとのこと。
▲特にギリシャではプラトン、アリストテレスなどが手相術に興味を持ち、著作も多く残している。
●見出し案21
いたるところでケシが栽培されている。
(バルク/アフガニスタン・イスラム共和国)
タリバン時代に禁制品となり、栽培した者は処刑されていたケシ。実際、2002年までは生産量が激減していた。しかしながら、タリバンが米国に駆逐されて以来、またケシを育てる農家が増えているようだ。筆者が民泊した家も広い敷地いっぱいに育てていた。
▲欧州・アメリカに流れるヘロインの大半は、このエリア(黄金の三日月地帯)で育てられる。
●見出し案22
いまなお戦闘体制中の基地があった。
(ガズニ/アフガニスタン・イスラム共和国)
カルザイ暫定政権(現在は暫定ではない)は、国際連合軍と協力してタリバンを駆逐。しかし、リーダーのオマル師もアルカイダのビンラディン師も逮捕されてはいない。南部の州では依然、タリバン支持の民衆も多く、前線の基地ではいつでも出動できるよう大型兵器の準備も万端である。
▲「オマエは人を殺したことがあるか?」と聞いてきた軍人。中には銃弾が装填されていた。
●見出し案23
新生アフガニスタン政権が樹立した。
(カンダハル/アフガニスタン・イスラム共和国)
2004年10月9日に行われたアフガニスタン大統領選挙。国連・アフガニスタン共同選挙監視団の精査の結果、選ばれたのはカルザイ氏だった。一千万個とも言われる地雷の撤去、多民族国家という火種を抱えながら、いかに早く国際社会へ復帰できるか。新生アフガンからは目が離せない。
▲選挙用ポスター。他にもIDカードを作ろう、選挙に行こう、不正はダメですよ、という内容があった。
●見出し案24
イランから見た悪の枢軸。
(テヘラン/イラン・イスラム共和国)
「アメリカが好きか、イランが好きか、どっちだ?」と、ほとんどのイラン人が困った質問をしてくる。もちろん、イランと答えれば笑顔に変わる。「アメリカ」とは身の危険を感じて答えることはできない。2004年現在、旧アメリカ大使館の壁は、反米をテーマにしたペインティングが施されている。
▲デートコースにも政治問題が首を出す。旧アメリカ大使館の壁には全面に渡って親イラン・反米の絵が描かれていた。