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sawadee!!紀行+


2005-12-18 世の中の仕組み〜我が業界編〜

okurayama_yokohama

世の中にはゴマンとグラフィックデザイナーやライター、カメラマンになりたい人がいるそうな。で、そういう人たちは、のきなみ学校へ行く。それは、ほぼ正しい選択なのだろう。しかしながら、学校からちゃんと業界内に就職でき→数年で辞めることなく継続して→実力を伸ばして世の中にいろいろ仕掛けていく、というところまで来るのは数%の人しかいないそうだ。なかなか厳しい業界である。
だからこそ、何年か続いて「デザイナーでござい」とかって立場になると、なんとなく華やかで、なんとなくかっこよく、なんか儲かっていそうなイメージがつきまとうのだろう。(ちなみに実際は逆で、泥臭く、オシャレカフェで打ち合わせなど皆無に等しく、駆け出し時代はミジンコのような生活である)と、ここまでは普通の論理。バカ正直に考えると、やっぱり専門学校に行ってスキルを身に付けなくては!!!、となるのだ。
じゃあ、バカ正直じゃなければどうなるの?って話だけれども、自分ならこの業界を目指す若者に「できるだけ名前の知れた4年制大学に行きなさい」となる。で、「できるだけ名前の知れた雑誌社や広告代理店に、編集もしくはディレクター志望で入りなさい」と言うだろう。将来的な道からすると、前者は叩き上げ、後者はエリートコースである。後者の場合、雑誌や広告の構成を担う仕事を経験することから、全体のノウハウが手に入る上、例えば自分がライター肌なら、苦手なデザインや写真を得意とする人と出会うことができる。将来的に組んでいくことになる人たちだ。またクライアントと仲良くなると、フリーランスになってからも食いぶちに困らない。まずは器を大きくする訓練をして、それからやりたいようにすればいいのではないだろうか。
こだわって時間をかけられない案件に囲まれて、ガンガンつくってアップしなきゃならない状態を「工場になる」と業界内でもいうけれども、「学校というステップを【経由しなければ】」と考えている人のほとんどは例えるなら町工場にしかなれない。ようするに学校は工場での作業を教えてくれる所だからだ。そこを認識しなければ、思い描く未来に隔たりができてしまう。「町工場で結構」と言う人もいるだろうけど、延々と積み重ねることができなければ破綻する。職人技を身に付けようという心構えが必要だろう。なんにせよ、有名4年制大学→エリートコースという道をたどれない年齢や学力の人は、ハッタリかましてでもムリヤリ押し掛け就職をしてしまい、実務から入るのをお勧めする次第である。
学ぶというのはいつどこでもできる。学校→就職というのは単なる幻影でしかない。それは、クリスマスだからケーキやプレゼントを買わなきゃというのと等しい。就職してから学べばいいや、くらいの自由さが必要だ。もしくは下北の友人のように学校の効能を知って、学校を使いこなすくらいでなきゃ、この業界を渡っていけない。学校でできること、押し掛け就職でできること、それぞれにメリットやデメリットがあり、それを整理して選ぶべきなのだ。もちろん、この洗い出しから「学校に行くべき」となる人もいて、それは正しい選択である。あと、学校に行くというのは、テンションが続いてこそ価値のあるもの。学校に所属する状態だけで安心してしまう自分のような人は、決して学校へ行ってはならない気がするのだった。
今年はバイトもしたし、関係の遠い近いに関わらずいろんなこの道を目指す人の相談に(乗れる立場かどうかは知らんが)乗ってきた。そして今日、「在宅ワークのために学習教材を」というわけ分からんメールが3通も届いたことで、なんだかこういうことをまとめてみようという気になってみたのだ。無名大学で叩き上げ感の漂う自分なりの業界への入り方、でした。

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えいちゃん [カメラって大変だよね、って思う。何でかってだってカメラなんだもん。 カメラはカメラであってベースがカメラだから。 ギ..]

uracci [上の文章を見て 学校に行ってる道をバカにされた気がすると言われた。 そんな気はまったくなかったのだが、そう言われて見..]