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sawadee!!紀行+


2006-05-23 今日の映画は☆ひとつ(5☆満点)

okurayama_yokohama

「Hitler: The Rise of Evil」という映画を見た。傑作の「ヒトラー〜最期の12日間〜」ではない。で、この作品、我が家での評価はすこぶる低い。まず、ドイツ人が英語で話していること。別にドイツ語が聞き取れるわけじゃないけど、雰囲気がない。ストーリーに入りにくい。あのガチガチの言語で「ハイル!」と言ってくれないと、ナチって気がしない。
プラス、ストーリーをはしょったり変えたりしすぎ。この作品を認めると、手塚先生の「アドルフに告ぐ」や前述の「ヒトラー〜最期の12日間〜」のシーンが嘘だったことになる。また、ヒトラーが変わりゆく様子で大切な話の流れを省いている。なぜSSができたのか、などなど。ヒトラーが頭脳だとすると、その胴体や手足になるところがいて、それを国民がどう育成したのかがない。これは致命的。ネットでだけど、いろいろ調べた結果、「Hitler: The Rise of Evil」には史実の点で軍配が上がらない。特に最期のときに妻となるエヴァの描き方とかがいい加減。
さらに、物語の最後で「1930年代後半以降、こうして歴史が動いて行った」というまとめ方をしていたのだけれども、「ユダヤ人が」「ユダヤ人が」と被害の様子を連ね立てる。確かに虐殺は悪いこと、それは動かぬ史実。でも、そう最後に言うための前置きはストーリー上に見当たらない。「ヒトラー=悪」と言うのは主張なので良いが、【だからユダヤ人は被害者だ】という流れがない。これはブッシュが演説等で使うプロパガンダ的はしょり方の気がする。ヒトラーにユダヤ人の血が1/4入っていることも述べない。何よりも物語の中心でユダヤ人とのやり取りが遠回し過ぎ。映画としては、どうかというと、まっっっっっったく意味不明。引いて第三者でなく、押して当事者でなく、なんだかむずがゆい。自分の「当時を知りたい欲」が勝ち過ぎで、偏見があるのかもしれないけれども、
「ユダヤ人が無力でも戦い抜く様」をアメリカ人=ユダヤ資本が遠回しにプロパガンダしたかったようにしか見えなかった。特に9.11とブッシュの背後にある石油ビジネスなどをチラ見せするのは卑怯としか言いようがない。ある意味で、見るべき映画なのかもしれない。アメリカ一般人にはこう伝えてプロパガンダしてゆくという手本だった。まぁ、テレビドラマ(←本当にドラマだったらしい)にしゃかりきになってもしゃぁないか。 自分には、こんなやり方よりも「アンネの日記」を活字で読んだ方が響く。