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sawadee!!紀行+


2006-11-02 星がカオサンロードに墜ちた

okurayama_yokohama

その人は、ただの酔っぱらいだった。旅人飲み会の三次会あたりでミナミのプールバーへ行ったときのことだ。ご機嫌に飲んでいたイタリア人に「おまえらイタ公のせいで戦争に負けたんじゃー!!!」と思いっきり絡んだりもしていたっけ。大好きなバンコクでは、行きつけのチャイディーマッサージの前のイスで昼間っからバーボンを飲み干してうつらうつら赤ら顔で寝ていたりした。ただ、旅とタイが好きで、権力や義理の通らないことが嫌いな人だった。息はいつも酒臭く、「うらっちよぉぉぉ、ロッジはカスや。仁義が通ってないわ」と何度も同じことを言っていた。旅行人の掲示板でも、ロッジの不義理に物申して、投稿を削除されていた。まぁ、これはロッジが旅行人一派の経営する宿だったからなワケだけれども、長年バンコクにこだわりのある人には酔っぱらいの言うことの方がスジが通っていた。
この酔っぱらいのオヤジさんは、自分がまだ大阪に住んでいたときに何度かウチに遊びにやって来た。酩酊するまで飲んで、東南アジアとメコン川国境への思いを語り、一人で真っ先に大いびきをかいて寝てしまうことがたびたびだった。あるとき、東南アジア以外で夢だったパキスタンと中国の国境に近づいていた。だが、パキスタンとインドが核実験をしたため、その夢だった国境は閉じてしまい、酔っぱらいのオヤジさんは引き返した。おれはオヤジさんを責めた。「せっかく暇を持って行っているんだから、開くまで待てよ!」。でも、オヤジさんはタイで飲んでいた。そして、「これがいいんだ」とつぶやいた。
いま、自分の手元には酔っぱらいのオヤジさん、通称journey氏がくれた本が2冊ある。その本がまさか形見になるなんて思いもしなかったけど、これはこれで現実である。いま思えば、大切にしている本を「くれる」なんて、何かの兆候だったのか。話は変わるが、旅人は旅人の魂を背中に乗せて旅をする。例えば現実にいまでも世界のどこかで先に日本へ帰る旅人は、本や家財道具や旅グッズなどいろんなものを、これからも旅が続く旅人にたくす。それは、あたかも自分の旅を継続させる儀式のようだ。生きている者同士でも、そうなのである。今年2月に亡くなったjourney氏、その魂はきっと知り合いの背中に乗ってまだ旅をしたいに違いない。もちろん、おれにもその魂を旅で鎮魂させる義務がある。
分かった。おれが、また旅に出て、その夢だった国境を越えてやるよ、酔っぱらいのjourneyのオヤジさん。おれは、中国とパキの国境の峠にあなたの好きだったジャックダニエルを持って行き、酒が好きだったあなたにむけて乾杯をするだろう。乾いた大地にバーボンの雫が垂れて、風がゴウと唸ったときに、あなたの魂は昇天できるものだと信じている。さようなら、夢を求めて彷徨った団塊の世代の勇者、journey氏。きっとチャイディーマッサージの前に置いてある椅子を見るたびに、この現実を思い出すんだろうな。ありがとうよ。

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Before...

uracci [Gucchiさん> あら、託されちゃいましたね。 でも、あすこはそのうち行くだろうから、難しい注文じゃぁないです。 ..]

sachi [今年の夏休みもカオサンにおると思い、アタシはチャイディーと竹亭へいきました。いつもいたので。。。。 ほんと、涙が。。..]

uracci [うん、確かにチャイディーの前にいる気がする。 でも、その魚のエピソードは相変わらずやなぁ…と。 なんか、はかないな。..]

sachi [私がはじめて会ったのは、チャイディー。 マッサージに店内入ったら。。。待ち合い場で、あのオヤジ。。。ビール呑んでたナ..]

uracci [年末年始はムリ! おそらく2月か3月だと思います。予約しとこ。]