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sawadee!!紀行+


2006-06-24 暴論承知、阪神タイガースと日本代表は似ている。

okurayama_yokohama

ご存知の方も多いと思うが、自分は阪神ファンである。関西出身だからね。で、阪神タイガースという球団を30歳なりに見てきたんだけど、小学校4年生の時に優勝して、その後は20年ほど凹んだ時期があって、で星野さん以降の強くなった今に至っている。サッカー日本代表と似ているのは低迷最終時期の野村阪神と優勝した星野阪神以降がジーコジャパンとトルシエジャパンのメリット&デメリットと対比できるのではないかという点だ。以下に特性を簡単にまとめてみた。
●野村阪神
【プロ意識】をもとに【厳しく】選手を指導。【弱者ならではの論理と作戦】で上位を目指すが、選手の理論消化不良とヤル気減退が表面化し、毎年低迷。個人的にはこの時期に線が細い赤星やただの二軍キャッチャーだった矢野が才能開花のコツをつかんだと思う。二軍監督だった岡田(現監督)も、このときは手腕を発揮して関本などの若手を育成。
●星野阪神
優勝させてくれたから、その手腕を疑う者はないはず。【野球の持つドラマ】を熟知し、ベンチに座っていても【存在感】は段違い。プロ意識の徹底から失敗した野村阪神から学んだのか【選手をほめて伸ばす】。優勝した年などは、【相手選手よりも自軍選手がことごとく星野マジック】にかかり、【実力以上の成果】を残す。チームの躍進と星野さんの人柄から【ファンが急増】。ただ、選手の乱獲がたたり、広島ファンから「巨人と一緒やん」と言われることも。
●岡田阪神
カリスマになれない岡田現監督は星野阪神が残した副作用に苦しむ。【勝たなきゃならない】という環境の中、星野時代にレギュラーとなった選手と自分が育てた選手をミックスして、なんとか上位で戦っている。【監督としての才能はイマイチ】だが、【選手時代の実績】と【阪神とはなんたるかをまだ知らない若いファン】に支えられている。
◎トルシエジャパン
【日本の弱さ】と【日本人のプロ意識の低さ】を知っていて【その対処法】から実績を残した監督。【戦術】と【組織力】、そして【ガチガチの管理】と【それらに合う選手起用】が特徴だった。だからこそフラット3などの作戦や、MFに点を取らせるオプションを多数採用したのだ。個人的には【日本人気質】と【トルシエのやりたいこと】がマッチングしていたと思う。
◎ジーコジャパン
結果的に、あらゆる意味で【日本人気質とはマッチングしなかった】監督。日韓W杯で増えたいろんな層のサポーター(熱いだけでなく、ブームだからとか、成金のやつらとか、最もタチの悪い即物論サポーターとか)の批判には辟易としただろう。最後まで【選手のプロ意識】と、【自分の信念】にかけたが、【結果を残せず悪役】になってしまった。【実績重視】の影に【若手育成の不十分】があり、【選手の自主性】と【創造性】は4年かけても育たなかった。個人的には【メディアに振り回された監督】。気質の合う国の代表監督になれば、爆発の可能性あり。ただそれは【日本人の言う手腕】とはほど遠いが、それも手腕だと自分は思う。
異論などは少々あるだろうけど、こう並べてみるとけっこう共通点が見える。とにかく「プロ意識=選手の自主性」に任せるのは危険だということ。まず、日本人は自分の決断で責任を取るという発想がない。それが良い悪いでなく、そういう気質だと認識してどう対処するかが大切だ。トルシエやら星野さんみたいに、プロ意識を諦めて目の前の結果を出すか、それとも我々が忍耐強くガマンして「自己管理+創造性」を国民全体で育んでいくかを選ばなくてはならない。仮に「積極性」や「自由と責任」「創造力」が手に入っても、「ワビサビ」「組織力」など日本に根付いているものがなくなるのもどうかと思う。この選択は本当に難しい。サッカーだけを見たら簡単なんだけど。
後者の場合はとてつもない年月を擁するだろう。サッカー日本代表だけを取り上げれば、何十年かは成果が出ないかもしれない。なんたって、第二次大戦の敗戦を経験し、アメリカにそういうものを一切合切をぶっつぶされて、失ったまま60年も経過しているんだから。その凝り固まった思考をほぐして再構築するのが数年で完了なんてことはありえない。
さらに、後押しするように、質の悪いファンやサポーターも急増している。子どもがオモチャに飽きたらポイッと捨ててしまうように、勝てなければ「あいつをかえろ」「あのときこうしておけば」(余談だが、最近増えた最悪な阪神ファンはヤジの飛ばし方を知らないファンである。打たれまくった投手に「お疲れました」だもの。これは野球とサッカーで真逆。スポーツとして違うからか、そうか)。ある程度は正論だけれども、ジーコが言うように「サッカーに同じシチュエーションはない」。各国でサポーターたちを見てきたけれども、選手や監督には誇りを持ち敬意を払っている。その上で「やめちまえ!」と叫ぶ。だからこそ、成功した選手はあのポジションに君臨できるのだ。逆に失敗には手厳しい。日本はそれを表面上だけマネしようとしていないか?国民が自分たちの代表に敬意を払わないから、国の代表ですら我が社の中間管理職みたいな扱いになってしまう。即物的に「あいつはずせ」とか。ちゃうやろ、ひどいもんや。
何度も言うが、メディアもひどい。いつの間に、こんな日本が一次リーグを勝ち抜けて当たり前の国になったんだ?これまでだって名だたる強豪国が敗退し、今回だってEURO2004で好成績を残したチェコが敗退している。まだまだ肩を並べるレベルじゃないってことを、国民自体が認識しないと、メディアにはスポンサーがあるから走ってしまう。そして、実質でなく即物的な勝たなきゃどうこうという議論に返ってしまう。
てことで、根本原因とその対処法をきちっと国民の総意にしないとならんはずだと感じたW杯だった。さぁ、これからいいサッカーを見て打ちのめされようっと。

※とあるところ、日本という国についてボロカスに書きましたが、これは日本が好きだからです。諦めていないからです。その点だけはご理解ください。
※4年後までに見つけなければならないのは、川口のように大舞台に強い選手かなぁ。新監督のオシムさんは、そういうの得意そうね。
※NHKは負けた日本特集してた。そういうのも必要だ、うん。悔しいぞ。
※民放にチャンネル変えたら、帰国した代表に「キャー」と黄色い声。これはアカン…。

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