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2007-12-07 北京オリンピックの傾向と対策1 [長年日記]

okurayama_yokohama

題名のとおりです。何か海外のことを書きたいなと常々思ってきたわけですが、野球とサッカーが五輪行きの切符をゲットして、こりゃ具体的なことをどんどん書けるぞ、と。てことで、uracci的、北京五輪観戦ガイドの叩き台を書いてみます。基本、パッカー向け。社会人にはまったく優しくない内容です。

今回は初回なので「概要」をお届けします。海外スポーツ観戦で必要なものですが、パスポートや資金、休日のような当たり前のことはさておき、次に問題になるのは「渡航手段」「宿」「チケット」です。アテネの場合と北京の場合について、旅行者+アテネ五輪観戦者という視点から書いてみました。多くの人が「ツアーか個人旅行か」を悩むと思いますが、まずはご一読を。


●概要
ほとんどの人はチケットを入手できるかが気になるところだと思います。それもそのはず、チケットというのは各国ごとに販売枚数が割り振られるからです。日本では枚数が限られている割にオリンピック熱があるため、異常なまでに高騰したチケットが金券ショップに並びますが、あんなの無視です。だって、各国ごとに割り振られているということは、開催国の中国には大量のチケットの枠があるってことでしょ?同じくヨーロッパにもアメリカにも、割り振られているわけです。しかもW杯と違って何十競技もあるのですから。ということは、中国やら各国に人気のない競技の場合、現地で入手できる確率が高いのです。実際、アテネで現地購入したのは野球やサッカーという日本では考えられない程の人気競技。仕組みが変わっていないかは追々調べますが、もし変更がないようならチケットはなんとかなります。それよりも宿の確保が一番の問題でしょう。

●渡航手段
*アテネの場合
ヨーロッパの端っこということもあり、直接アテネに飛ぶか、周囲の国まで飛んでからバスや鉄道でアテネを目指すかの2パターンがありましたが、当時ロンドンにいた自分はeasyjetという格安航空券が(普段よりも割高だったものの)余裕で取れたため、直接飛びました。結果的に満席でしたが、チケットを取るのは対して難しくなかったです。帰路はバルセロナに飛びたかったものの満席で、いろいろ調べてブリュッセルに飛びました。これらの状況と現地であった人の意見を総合すると、オリンピックだからと航空券やバス・鉄道が取りにくいことは欧州内ではなかったです。また、サッカーの会場はテッサロニキという100km以上離れた会場にありましたが、まったく余裕で鉄道やバスのチケットをゲットできました。
*北京の場合
日本からの航空便は、自分の現段階の読みでは取れると思います。理由は本数が多いことと臨時便が飛ぶこと。旅行代理店は必死になっていろいろオプションを付けさせるために「満席だ」とか何とか言うでしょうけど、座席自体は手配できる気がします※uracciがそう考えているだけなので責任等はご勘弁を。バックパッカーの場合は北京に直接行かなくても、時間がある人は上海経由で夜行に乗っていくこともできます。また、さらにパッカー的な情報なのですが、天津行きの国際フェリー「燕京号」が関西の港から就航しているため、時間に余裕がある人はこれらの交通手段を使えばラクに北京にアプローチできることでしょう。

●宿
*アテネの場合
何泊か野宿することになりました。1泊はキャンプサイトでキャンプ。その後、外国人出稼ぎ者が泊まるような宿を見つけて投宿。本当に難しかったです。
*北京の場合
これも意外とアテネよりはマシだと思います。理由は儲けたい人が多いから。本来は違法の「外国人を宿泊させる」という行為だけど、期間中は公然と行われると読んでいます。ただ、中国人が初めての人にはオススメできないかも。その他にも、大学の寮なども開放されるはずです。アテネよりはラクだけど、旅慣れた人なら大丈夫ということでしょうか。あと、中国は縁故社会なので留学した友人や会社の取引先などで中国人がいたら頼ってみてください。お金持ちは「どうぞ、どうぞ」で泊めてくれますし、一般人でもオカネを払うと言えばスムーズです。

●チケット
*アテネの場合
先にも書いたとおり余裕です。まず、ロンドンにいるときは宿の住所を「定住地アドレス」の欄に記入して、インターネットで申し込みました。つまり英国枠で購入したんです。窓口だったら「きみ英国人?」みたいになるのかもしれませんが、ネットを使ってカードで購入したため確認しようもありません。カード認証が済んで決済ボタンを押したら「これをプリントアウトしろ、アテネの●●銀行でチケットと引き換える」というような画面が表示されたのでプリントアウトして持っていきました。もちろん問題なし。あと、アテネで買う場合ですが、同じく●●銀行で「ギリシャ枠でこのチケットが売れ残っている」というようなリストがあったため、じっくり吟味して野球を1試合買い足しました。柔道も買ったかな。ちなみに違法なので自分は買っていませんが、ダフ屋も多数出現。会場であった人は45ユーロの柔道決勝のチケットを25ユーロで買っていました。これはギリシャ人だけかもしれませんが「昨日も見たからいいよ」というふうなやりとりでどんどん下がっていったようです。
*北京の場合
基本、アテネと同じだと思います。が、日本で開催された東京五輪や大阪万博のような熱気がないわけではありません。そこのところだけが入手困難の要素です。ただ、中国で人気がない競技や、中国が勝ち上がっていない決勝トーナメント、中国と別ブロックの予選は狙い目です。あと、うさんくさいダフ屋は政府が本腰で取り締まらない限りたくさん出ることでしょう。ただ、物陰や閑散とした路地、二階や地下にある狭いレストランなどは避けるべきでしょう。あと、海外のどこかの国に友人がいる場合は入手できないか聞いてみる価値はあります。

ということで、手ぶらで北京五輪特集でした。特に苦労がイヤだったり、自信がない人は高くても日本のツアーが確実。でも、ガツガツ行きたい人は、もう手ぶらで乗り込んでいいんじゃないですかい?


2007-12-09 北京オリンピックの傾向と対策2 [長年日記]

okurayama_yokohama

基本的なことは前回の日記で書いたので、今回はツアーでも個人旅行でも活かせる『競技』の情報を第三者的な目でランキングしました。予選と決勝では金額や混み具合も変わるので、項目も分けました。競技自体の解説は必要ないでしょうから、アテネを基準に「理由」「メダル獲得の可能性」「チケットの取りやすさ」「観戦の自由度」「金額」「個人的な雑感」などを書きます。
まず、断っておきますが、このブログを見ている方それぞれに「個人的に推している競技」があるでしょうし、それは絶対に最重視すべきです。どれを買おうか参考資料がほしい場合にお役立てください。それでは、早速。


●オススメ競技
○No.1/柔道決勝トーナメント
理由:金メダルを穫る瞬間に立ち会える可能性が高い
アテネの場合:男子のひとつの階級と女子のひとつの階級が同じ日に行われたため、運が良ければ二人の日本人が決勝トーナメントに勝ち上がってくる場合が多々あった。自分は2日行って女子:塚田と阿武、男子:鈴木の金メダル試合と表彰を観戦。選手が4年間味わってきた苦労が涙となる勝った瞬間と表彰式には、観戦者も涙せずにはいられない!軽量級の日はヤワラちゃんと野村という日本を代表する選手。重量級も塚田と鈴木という、これまたメダル確率の高い選手が偏った状況だった。コダワリの選手がなく、特にメダル獲得の瞬間を観たい場合は男女の組み合わせに注意!
北京の場合:柔道ニッポンはアテネほどうまくはいくか分からない状況。というのも、2007年から規則が変わり、固い柔道着を着用してもよくなってしまった。きっちりと襟や袖をつかんで投げる日本の「柔よく剛を制す」スタイルが消され、パワー重視の現状になっている。でも、他の競技よりも獲得の可能性は高いはず。
金額:アテネは遠めのB席で45ユーロ
監視:アテネの場合、A席側への移動などは難しかった。けれども、ギリシャ人はルーズで誰かが注意を受けているときはそっちに意識がいってしまっているwそのスキに侵入するならず者も。ということは、不可能ではない…。北京ではどうなるか分からないけれども、チャンスは表彰式。決勝で決着がつくとともにスタッフは退散。つまり、表彰式は最前列で観ることもアテネでは余裕でした。
チケットの取りやすさ:柔道は国際的人気競技。参加国が多くヨーロッパ人が決勝トーナメントに出る時は混雑した。北京五輪では中国人に強い選手のいる日は要注意。

○No.2/野球(予選も決勝トーナメントも)
理由:今回のチームは得点力がどうとか言われているけど、強い!また、中国がチカラを入れていない競技のため、他の競技よりもあらゆることに余裕あるはず。また、選手を側で見やすいこともランキング上位の理由。
アテネの場合:哀しいかな、日本の人気競技「野球」は国際的に見れば不人気競技。参加国もかなり少ない。宿敵の米国もおらず、韓国もいない。しかしながら、キューバ、オーストラリアと熱戦を繰り広げたのはいい思い出。不人気競技を逆手に取れば、これほど、選手に近づける競技もない。城島がやたらと「あっちに打てば風があるから」と熱弁を振るっていたり、西武の和田がいがいと喋る人だったり、阪神の藤本は阪神では元気でも全日本では萎縮していたり(でも目の前でホームランを打った!)、けっこうおもしろい。ブルペンも近くで見ることができる。ベイスターズの三浦は、かなり献身的にピッチャー陣を支えていた。
北京の場合:国際的な位置づけの低かったアテネの状況が良化する兆しはない。しかしながら、今回もプロを多数呼び寄せ、野球ファンならずともプロ選手を応援するにはまたとない環境だろう。
金額:アテネは予選でB席15ユーロ。座席移動余裕(後述)
監視:アテネの場合、B席からA席はおろかプレス席まで移動することすら余裕だった。監視ほとんどなし。ベンチの真上に陣取り、選手同士の声が聞こえる最前列で観戦。横の横は藤原紀香、後ろには元サッカー選手の永嶋さん。自費で来ているプリティー長嶋はいつでも捕獲可能。その他、金メダル取得後のヤワラちゃんやナンちゃんもいたとか。
チケットの取りやすさ:いつでもどこでも取れる。ダフ屋すら見ることがなかった(哀)

○No.3/体操
理由:五輪が最高の舞台、体操ニッポンを感じる観戦!
アテネの場合:観戦できなかったのにランキング3位にしたのは、長野五輪の日の丸飛行隊ほどの感動を国内に与えてくれたから。団体競技であんなに息が詰まるものは他には見当たらない。駅伝のように、自分のポイントを後続の競技の人に託す。この浪花節感覚は日本人として絶対に感動するツボ。どの競技でもそうだけれども、現場にいないと味わえない空気がある。その中でも体操は秀逸だと自分は考えている。でも、体操はTVだからいい面も正直あったと思う。「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への懸け橋だ!」「勝った、勝った、勝った! 勝ちました。勝ちましたニッポン」「体操ニッポン、日はまた昇りました」という競技中の絶叫、表彰式での「オリンピック発祥の地アテネ、その真ん中に日の丸が上がりました」という感無量のコメント、解説の小西さん(ソウル五輪体操男子団体銅メダリスト)が号泣しているのを見て「小西さん、どうぞ泣いてください。小西さんの目から大粒の涙が出てきました」という、日本中が結びつくような名実況は(帰国して知ったんだけど)、そのときテレビの前にいなければ味わうことはできない。まさに実況の人の腕が金メダルという最高の結果と結びついた芸術的実況だった。どちらがいいかは難しいけど、行くなら必見であることは間違いない。
北京の場合:中国は強い。しかもホーム。応援も分が悪い。これらの3悪条件があるために金メダルの可能性から書きにくい一面はあるけれども、行って損はないと思う。
金額:行ってないので分からないけど高めだと思う。
監視:行ってないから分からない。スミマセン
チケットの取りやすさ:北京オリンピックは難しいと思う。理由は中国が強いこと。国内でいまの内に手配しておいた方がいいかもしれない。ダフ屋でもボラれること確実の予感。

次回はNo.4のサッカー、No.5の水泳、No.6のビーチバレー、No.7のマラソンあたりを。