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sawadee!!紀行+


2006-04-04 おちていんど [長年日記]

okurayama_yokohama

やっぱり民のパーセンテージを上げたい。官だけではダメだ。というのは、クライアントの話。公共の案件って、とっつきはいいんよね。すべてが理想どおり進めば金銭的にはオイシイ仕事が多いんです。でも、たいていはそうはいかない。
まず、ディレクションが下手。これは先にある官庁も、間に入っている一応民のクライアントも含めて共通している。こちらに仕事が流れてきて請けたときにはAという内容だったとする。それで納得して「がんばらせてもらいますよ!」と取り掛かってみると、納品時にはBとなっている。下手するとBを経由してCまでいってしまう。そして、その改訂版がすべてボリュームアップをしてしまっている。みんな、ここらへんに無頓着。なぜなら年度末までにオカネを使い切ることが最有力課題だから。
そういう仕組みだからか、予算組みにここらへんの訂正料金は加味されていない。見積り→納品→請求→振込みまですべてワンパッケージの料金。もう、無料訂正をし飽きましたよ。打ち合わせするなら、課題やらコンセプトを煮詰めて案を握ってこいよ。何しに顔をつき合わせているのか疑問。これだから、こわくて周囲の友人知人を案件に呼ぶときは気を使う。彼女や親友がベストパートナー。似た年齢が多いから料金もなんとかなるし、何かあったら埋め合わせすると約束できる。対して、お世話になった人や、知っているだけくらいの人は誘いづらい。
オカネもここまで訂正があったら自分の取り分だと思っていたのが、自分を含めた人件費でどんどん消えていく。だから少人数でまわさないと修正料が出せなくなるし、結果としていいものができなくなる。せっかく人脈もそこそこできたのに、活かしにくい。これはクライアントに何度も言っているんだけど分かってもらえない。公共体質がはびこりすぎ。
あと、致命的なのはモノをつくるときに、発注側に完成形のイメージがない。もしくは完成系をなんらかの手法をもってしても伝えるのが下手なのだ。こちらで打ち合わせをして固めても、クライアントとその先にある先方でイメージが違ったらさぁ大変。プラス、素材の出揃いが遅いのに、いったん請けたら予定変更なしに線引きした納品日を守らせようとする。もう、打ち合わせに同行させてください。バスッと案を定めて、一度目の提出から公共の人間が本気になってものを考えてくれる担当者・課長の認印欄を設けて臨みますんで。隣の芝は青いというけれども、ほんと民はよい。ディレクターが責任を負うから。あと、週刊誌って厳しかったけど、スパンがよめるのはよかった。思い出した頃にアップしたものの訂正がきても困るっちゅうねん。こっちは「終わりました」と一度聞いてスケジュールを組んでいるんだから。
でもね、私レベルではやっぱり大ホームランは公共から生まれるんです。民はやっぱり厳しい実力世界。それに大して官は甘いと思う。縁故だからっていうのを筆頭として、打率なりにいいのがまわってくるわけです。話の規模がのっけから大きいものがたまにあって、そいつの露出度と露出継続期間がこれまたとても長いんよね。公共でガンッと結果を出せば「どこそこに行ったらおれの作品も見てよ、30年は残るだろうから」ってノリなんですよ。しかも、公共でプレゼンして最初の案を通したとなれば、民での評価も一気に上がろうというもの。この業界を知らない人も知ってる人も、舵取り悩みませんか?メリットとデメリットのバランスが微妙なんです。自分の理想は官の仕事が4、民の仕事が6だと思ってます。
今年はガンガン長打を打ちたいです。でないと、小銭を稼いでインドに住むことになりそうです。