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sawadee!!紀行+


2005-01-19 困ったときは車掌さんに [長年日記]

toyota/himeji/kobe/katsura

バックパックを持って旅することについて前回は書いたが、今日はバックパック自身が旅をした話。最寄り駅の明石で降りたときに違和感を感じた。「のわー、バックパックを網棚に忘れた!!!」。気づいたときには電車は走り去った後。改札も出た後で、なぜかkioskを見て思い出したのだ。今朝、JR刈谷駅のkioskで週間アサヒ芸能を買ったからなのだろうか。荷物がないことに気づいたキッカケについては、いまだもってまったく謎である。
すかさず改札の駅員さんに相談する。「う〜ん、一応終点の姫路駅には電話をしてみますが、4分で折り返しちゃうんですよね〜」。トゥルルルル…ブツッ、電話をかけてくれているがなぜか途中で途切れる。「あれぇ?おかしいなぁ」。駅員さんは小首をかしげながら、5分くらい何度も電話をしてくれた。やっとかかって「困ったお客さんがいます」と言われたのもご愛嬌だ。とにかく見つけたら預かってくれることを約束して電車を追いかける。実はデジカメもiBOOKも入ったままだったのだ。週間アサヒ芸能の入ったおれのバックパック、おーまさしくピンチ。
次の新快速に乗ったときに車掌さんが回ってきたので、ダメ元で尋ねてみる。「あのー、一本前の電車に荷物を忘れてしまって追いかけているんですが」。この車掌さんが、まさしく救世主になった。「お客さん、急いで一番後ろまできてください」。着いていくと、無線で前の電車に連絡をとってくれているではないか!しかも途中で加古川駅に着いたときには、片手におれの状況を知らせる無線を聞きながら、もう片手で「かこがわぁ、かこがわでございます」とか言っている。こりゃハイパーな人だ。頼もしい!
しかしながら、このスーパー車掌さんをもってしてもどうにもならない問題があった。「あれ?おかしいぞ」。なんと無線が途切れているのである。そして小首をかしげる車掌さん。結局、またつながってことなきを得たけど、JRのネットワークシステムと小首をかしげる社員という図式はどうにかしたほうがいい。
「お客さん!荷物あるみたいです!取りにいってください!」。突然、車掌さんが割れんばかりの笑顔で話しかけてきた。なんて、なんて素晴らしい人なんだ。挨拶を丁重にして、別れをつげる。姫路駅の忘れ物センターを訪れる。ガチャリ。ドアを開けると、共産主義国家の役所を思い出した。間違いのないように付け加えておくと、人はいい。しかし、間取りが…。パーティションで区切られているのでよくは分からないが、荷物を預かるスペースが十畳ほど。手前の受付スペース職員側が9.5畳ほど。で、なんとお客の入るスペースは半畳ほどなのである。中にはデッカイ机がデンと置かれていて、腰掛けていた人物が「何を忘れたんや?」とニコやかに話しかけてくる。「あ、いや、さっき電話やら無線でお騒がせした、水色のでっかいリュックを忘れたものです」。「おー、きみかきみか。こりゃぁ大物やぞ。サカモトさ〜ん(仮名)、確かめたって」。そういうとその男はデッカイ椅子に座り、ゆっくりとタバコに火をつけた。
パーティションの裏からダミ声が響く。「お客さ〜ん、中に何が入ってます?」。早く終わらせたいので自分しか知りようのないことを言う。「う〜ん、上の部分に週刊アサヒ芸能とデジカメ。中の部分には大量の服とパソコンですわ」。ゴソゴソという音をさせながらさらに質問は続いた。「お客さ〜ん、パソコンのメーカーは何や?」。「アップルです」。こんなやり取りを繰り返す。聞けば、間違いのないように2〜3品のチェックをするそうだ。もし、変質者だったら痛いことになりそうなシステムである。「お客さ〜ん。え?えぇぇぇぇ?」。「だから、中に入っているのは近所のマンションから盗んだ赤いパンティーとブルセラショップで買った(中略)」。周囲にイタズラ好きな人が多いので一筆添えておくが、こんな罰ゲームはヤダ。
とにもかくにも荷物を取り返し、実家に帰った。キシハラ家でピックアップしたスノーボードセットを運んだのが腰にこたえる。そうだ、あの時はト●タで稼ぎながら、余暇は山にでも行くか、なーんて。青いこと考えてたな、おれ。実際はすべるどころかM3の前座席に柱を抱えるように下敷きになりながら運び、神姫バスでも体をねじりながら支え、最後の家までの道はインド人ポーターのように頭の上に乗せて歩いた。奇人もいいとこだ。休むまもなく「トルコに行って写真をたくさん撮ってきたので見てくれるわなぁ」というクミコ嬢と、久々に会うshimoちゃんの待つ京都府は桂まで出発。青春18きっぷは行動力が上がって、よろし。体力に自信はあるけど、ちょっとフラフラ。