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sawadee!!紀行+


2004-07-04 ギリシャ、EUROを制す。

GLASGOW→EDINBURUGH

今日はEURO2004の決勝である。観戦するぞー!飲むぞー!ということで、昼一番のバスでエジンバラへ。う〜ん、相変わらずmegabusは安い。高速バスがたったの1ポンド(200円)だもんね〜。しかし、これ、どうやって元をとっているんだろう?

さて、エジンバラ。もう観光ポイントはほぼすべて行ってるからなぁ…。ということで、残されたところはひとつ。丘へ行こう。そして街を一望してやるっ!途中のショップでサンドイッチの材料を揃えて、いざ丘へ。最初の10分はきつかったけど、あとは快適なハイキング。出る汗はすべて乾燥した涼しい風が乾かしてくれる。9割がた登ったところで、サンドイッチタイムだ。超絶によい景色を見ながらメシを食うのは、とても快感である。ふたつの快楽をひと時に体験するというのは、やや変態がかっているけれども、とても気持ちがよい。ただの安っぽいハムサンドだったけれども、このときはこれ以上うまいものはこの世に存在しないぐらいの勢いで食べた。丘を制し、さて、と立ち止まると丘の向こうにさらなる頂が!この山も攻めておかねばなるまい。それが礼儀というものである。山へのトレイルをたどる。振り返ると、北海の一部分に雨雲が差し掛かり、その真下だけが円柱形のグレーゾーンと化していた。しかも、そいつはどんどん近寄ってくるではないか。結局、6合目あたりで雨が降り始めた。それでも攻めるのが礼儀である。激イージーなおじいちゃんおばあちゃんでも登れる山を撤退するのは絶対にヤだ。ということで、無人の頂に大雨の中たどりつく。アホである。

街に帰ってきてネットをしていると、なんとロンドンで宿が同じだったニエさんがエジンバラに来るというではないか。「せっかくの決勝ですから、一緒に観戦しましょう」。いやぁ、ありがたい。サッカーはサッカー好きと観るに越したことないからねー。

サッカーの観戦結果は…「いやぁ、チェコ、勝っちゃいましたねぇ」という会話がすべてを物語っているだろう。古臭い、卑怯だといわれながら手にした栄冠だけれども、これは評価に値すると思う。ポルトガルを二回、あのチェコを退けた力は本物であろう。スペインもギリシャに負けた。じゃああのロシア戦はなんだったんだ?とも思うけれども、今回はイタリアも負けたし、ギリシャよくがんばったねー、なのである。スポーツバーから出ると、もうギリシャ人たちが100人ぐらい集まってパレードをしていた。いまごろリスボンはどうなっているんだろう。あー恐ろし。


2006-07-04 mixiにて返答【シリア】

okurayama_yokohama

※返答の内容を大幅に増量しています。

【質問】 シリア羨ましいです。治安ってどうなんでしょう?女一人旅で行きたいなーと思ってるんですが。遺跡とか、見所も多いですが、移動とかって大変ですか?10日程度で行こうと思ったら無理あるでしょうか・・・?旅行は初心者ではないので、馬鹿なことはしないと思います。トルコは結構余裕でした。一人旅でインドも行ったことあるのですが、インドほど治安悪いのは勘弁したいと思ってます。
澄みませんが、教えていただけると嬉しいです。

【uracci回答】
死ぬまでに行かないと後悔する国のひとつです。政治的には社会主義で世界で最も自分勝手な国にテロ国家扱いされていますので、ややこしいのですが、庶民レベルではあんないい国ないです。むちゃくちゃ親切です。一昼夜かけても、エピソードにつきません。以前のイラクもそうだったらしいですが、貴重品を落としても「返ってくるかもしれない」と信じてしまえるくらいの国です。
まず、トルコからアレッポに着いた時のことです。道が分からなかったので、通りすがりの兄ちゃんに「この宿どこ?」と聞きました。そしたら、この兄ちゃん、おれの腕をつかんでグイグイ引っ張っていくではないですか。これがインドだと、胡散臭い旅行代理店に連れ込まれて大人数で脅されて、高額のツアーに申し込まされたりします。でも、ここシリアは違った…。大通りを曲がってズビシ!と指差しながら「あっちだ」。そう、単に道を教えてくれていただけなのだ。しかも「旅、気をつけてね。アッラーのご加護を」と言って笑顔で去っていってしまった。「アッラーの神様、おれ、今日もいいことしたよー」という充実感を持った背中。旅行者の勘がうずく「この国は何か違う」。
街を歩いていると、食べ物が増えていくんです。これ、本当の話。みんなアメやらリンゴをくれるのだ。リンゴだけに話を絞ると、大きなスーパーのビニール袋一杯以上のリンゴの在庫をかかえたこともありましたっけ。さて、次はバスの話。アレッポからラタキアという街へ行く時のバスですが、事前に旅人が綴る情報ノートで45SPという情報を持ってました。バスターミナルに行くと「50SP」と言うではないか。まだこの頃はシリアに不慣れで、「ついにきたかぼったくり」と思ったんですが、「45SPでしょ」というと、あっさり「うん、そうしよう、それでいい」。もう何がなんだか分かりません。バスに乗っていると、お馴染みのガススタで休憩タイム。みんなラマダン中なのでぼけーっとしているだけなのですが、運転手が「旅の者よ、これを食え、これを飲め」。パンやらフルーツやら、チャイやらが出てきた。おっちゃん50SP以上おごってくれてるし…。
ラタキアという街からサラディーン城という遺跡に行けるんですが、ここも↑ラッキーアクシデントの宝庫。タクシーをチャーターして城へ行った帰りのこと「困ってるお爺ちゃんがいて送ってあげたいんだ。必ずバスターミナルに送るからついてきてもらっていい?」と聞いてきました。暇だし、ローカルの景色も見ることできるんでOKすると、ブーンとドライブへ。山のつづら折りを降りる途中で、一旦停止。どうしたのかな?と思っていると花を摘んできてうちの彼女にプレゼント・フォー・ユー。お爺ちゃんを無事送り届けると、その別れ際にお爺ちゃんが「たびのものよぉ〜うちにとまっていきなさぁい」とアラビア語らしき言葉で話しかけてくるではないですか。どうしようか迷っていると、運転手が「旅の者は急いでいるから」と断ってくれました。お爺ちゃんは涙を流し、「これ、もっていきなされぇ」とビニールいっぱいのリンゴをくれました。ありえん…。驚きはこの後。無事、バスターミナル付近に戻ってきたおれたちに運転手が「うちに、ぜひぜひぜひぜひ泊まっていってくれ、な、いいだろ?たのむよ」。もう、観念しました。そういう運命なんだと感じました。家では歓待の嵐。くしくもラマダンだったので、みんなで2時過ぎに起きてラマダン食をつくって食べるという儀式にも参加させてもらいました。
一時が万事、こんな調子です。パルミラとダマスカス以外は。友人はスークを散歩していたらポリスが後をずーっと付けてきて、尾行されているのかと思ったら、ついに声をかけられた内容が「きみが心配で心配で」。最終的には「宿に送らせてくれ」と申し出られ「外国の旅の人が通るので、ものども道をあけなさい」とサイレンがん鳴らしで、モーゼの十戒みたいに一般車の車列をまっぷたつにし、赤信号も突っ切って宿に帰ってきた逸話を持ちます。女一人じゃぁ、即答はできませんが、ほんとこんな感じ。民泊率もかなり高いです。旅は道連れのグループで誘われたら、ぜひ。
反面、あまりにも親切にされるので喜捨とは何かを常に考えさせられます。親切が何を産むのか、憎しみが何を産むのか。資本主義社会が導きだしたテロ国家で、そんなことを考えることが皮肉でした。そして、自分もシリア人に親切にしてあげたい、せめて何か記念に残る物でも何でもあげたい、と思うようになります。危機感でドキドキするのでなく、次にどんな不意打ちの親切が待ち受けているんだ!とドキドキしまくった国でした。
ということで、治安はトルコより概ね良いです。で、10日ということですが、VISAって15日なんですよね。延長の方法や1ヶ月がとれるところもありますが多くの旅人が15日以内で通過しています。個人的にはアレッポとラタキアがかなり好き。印象に残ったところはクネイトラです。(要許可証)パルミラ、有名ですが唯一旅行者ズレしているところ。あのへんに乱立する柱系遺跡が食傷気味なら思いきって人の良い北部でもいいかもしれませんね。でも、パルミラ遺跡自体は規模でかいです。見ておいて損はない!

てなことのダイジェスト版を書き込みました。こういうのを機会にして各国紹介するのもおもしろいかな、と。長くてすんません。それぐらい語りたい国なんです、あそこは。次の機会で「サーマル」「アフガニスタン」「トマティーナ」などのキーワードがタイトルにあったら長いと思ってください。

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Before...

uracci [ゆみご> おいすおいす。シリアはいいよねぇー、すべてがよい。自信を持って「よい」と言えるところだす。サラディーンはホ..]

ほーり [そうか〜すてきな国だねー! あたしもいきた〜い! は〜働いてお金かせがないとねー。 そんでプールで体力つけて。]

uracci [ほーりー> 働いてもオカネたまりませーん。 稼ぎ増やすのと倹約を同時に実現せねば… 横浜国際プールはオススメやけど ..]

ほーり [そうだねそうだね! 倹約もだいじ!だのー。 横浜国際プールってどのへん? 新横らへんかな? 最近チャリもどっかいっち..]

uracci [横浜国際プールはセンター北とか仲町台とか、あっちの方。 横浜市営地下鉄でそれらの駅まで行ってからバス… だから、車じ..]